「上記」の言い換え表現まとめ!前述や先述との違いも解説

「上記」を別の言葉に言い換えるなら、ビジネス文書では「前述(の)」「先述(の)」「上述(の)」などが定番です。

口頭やプレゼンであれば、「さきほどの」「今申し上げた」「ここまでの内容」とすると自然に伝わります。

本記事では、「上記」の具体的な言い換え候補から、ニュアンスの違い、シーン別の使い分け、そのまま使える例文まで詳しく解説します。

読めば、メールや会話の相手に合わせた最適な言葉選びができるようになります。

「上記」の言い換え表現を一覧で紹介

まずは「上記」の代わりとしてすぐに使える、代表的な言い換え候補を紹介します。

  • フォーマルな文書・メール:前述(の)、先述(の)、上述(の)、既述(の)、前項
  • 口頭・プレゼン:さきほどの、今申し上げた、ここまでの内容、こちらの
  • 自然な指示語:これらの、この、そのような、その件

まず使える言い換え候補

ビジネスシーンで「上記」を言い換える際、迷ったらまずは以下の3つを押さえておきましょう。

  1. 前述(ぜんじゅつ):前に述べたことを指す、最も汎用性の高い言い換え表現です。
  2. 先述(せんじゅつ):前述とほぼ同じですが、時間的に「さきほど述べた」というニュアンスを含みます。
  3. 上述(じょうじゅつ):縦書き・横書きを問わず、物理的に「上に書いた内容」を指す際に適しています。

ニュアンス別の言い換え早見表

それぞれの言い換え表現が持つニュアンスと、適した場面を一覧表にまとめました。

言い換え候補 ニュアンス 最適な場面
前述(ぜんじゅつ) 前に述べたこと。最も標準的で無難。 ビジネスメール、企画書、論文
先述(せんじゅつ) 時間的に「さきほど」述べたこと。 メール、ややフォーマルなスピーチ
上述(じょうじゅつ) 文章の中で、これより前に書いたこと。 レポート、マニュアル、契約書
既述(きじゅつ) すでに述べ終わっていること。硬い表現。 学術論文、公的な報告書
さきほどの 時間的に少し前の内容。やわらかい表現。 プレゼン、商談、電話
これらの 直前の複数項目を指し示す表現。 箇条書きの後など、日常からビジネスまで全般

「上記」の言い換えを選ぶポイント

「上記」は便利な言葉ですが、状況に合わせて言い換えることで、より洗練された印象を与えられます。

言葉選びのポイントを3つ解説します。

メールや文書か、話し言葉かで変える

文章なのか口頭なのかによって、適切な表現は明確に分かれます。

「上記」という言葉は、本来「上に記したこと」という意味を持つため、書き言葉専用の表現です。

電話や対面での会話で「上記の内容についてですが」と言うと、相手は違和感を覚えます。

口頭で伝える場合は、「さきほどご説明した」「今申し上げた」「ここまでの内容」といった話し言葉に切り替えましょう。

指し示す内容の近さに合わせる

指し示す内容が文章内のどこにあるかによっても、選ぶべき言葉は変わります。

直前の数行や箇条書きを指すなら、「この」「こちらの」「これらの」といった短い指示語で十分伝わります。

数段落前や前回のメールの内容など、少し離れた箇所を指す場合は、「前述いたしましたように」「先述の件ですが」とすると丁寧です。

どこを指しているのか相手が迷わないよう、距離感に合わせて言葉を調整します。

連続使用を避けて指示語でスッキリさせる

「上記について」「上記の件ですが」と何度も繰り返すと、文章が単調でくどい印象になります。

同じメールや文書の中で複数回内容を指し示す場合は、あえて「その件につきましては」「そちらの内容は」と指示語を活用してください。

具体的な名詞に置き換える(例:「上記のスケジュール」→「今回のスケジュール」)のも、文章をスッキリさせる有効な方法です。

「上記」の意味とニュアンス

言い換えを使いこなすために、「上記」という言葉の本来の意味を整理しておきます。

「上記」が持つ基本的な意味と使われる場面

「上記(じょうき)」は、文章の中で「この文章よりも前に書かれた事柄」を指す言葉です。

手紙や書類が縦書きだった時代に、前に書いた内容が物理的に「上」に位置していたことから生まれました。

現在では横書きのメールやWeb文書でも広く使われており、箇条書きにした要点などをまとめて「上記のとおり」と受けるのが一般的な使い方です。

簡潔で事務的なトーンを持つため、ビジネスシーンで重宝されます。

言い換えるときに残すべき印象

「上記」を言い換える際は、「どの情報を指しているのか」という客観的な正確さを保つことが重要です。

主観的な感情を含まないため、言い換え先でも「前述の」「こちらの」など、事実を淡々と指し示すトーンを残します。

無理に敬語で飾り立てるよりも、情報の所在を相手に迷わず伝えることを優先してください。

「上記」に近い言葉との違い

「上記」と似た意味を持つ「前述」「先述」「上述」の違いを整理します。

「前述」「先述」「上述」のニュアンス比較

この3つはどれも「前に述べたこと」を指しますが、微妙なニュアンスの差があります。

表現 意味の焦点 特徴
前述(ぜんじゅつ) 「前」に述べたこと 空間的にも時間的にも使える。最も汎用性が高い。
先述(せんじゅつ) 「先」に述べたこと 時間的な経過(さきほど)を意識させる。口頭でもギリギリ使える。
上述(じょうじゅつ) 「上」に述べたこと 文章(テキスト)の中で前に書かれていることを指す。「上記」に一番近い。

迷ったときの選び方

ビジネスメールや一般的な文書で迷った場合は、「前述」を選んでおけば間違いありません。

「前述のとおり」は、相手に失礼な印象を与えず、かつ堅すぎない絶妙なバランスを持っています。

少しだけかしこまったニュアンスを出したい場合は「先述」を、より事務的・論理的な文書(仕様書やマニュアルなど)では「上述」を使うと自然です。

「上記」のシーン別の言い換え例

実際にどのような場面で、どの言葉を選ぶべきか、具体的なシーン別に解説します。

ビジネスメール・文書での言い換え

取引先へのメールや社内文書では、正確さと丁寧さが求められます。

「前述」や「先述」をベースに、相手との距離感に合わせて言葉を選びます。

  • 「前述いたしましたとおり、明日の会議は10時開始となります。」
  • 「先述の件につきまして、追加の資料を送付いたします。」
  • 「詳細につきましては、ここまでの内容をご参照ください。」

プレゼン・口頭で伝える際の言い換え

会議でのプレゼンや商談など、話し言葉の場合は「上記」という書き言葉は適しません。

相手の耳で聞いてすぐ理解できる、やわらかい表現を選びます。

  • 「さきほどご説明したとおり、今年の目標は売上20%増です。」
  • 「今申し上げた内容について、ご質問はございますでしょうか。」
  • 「こちらのスライドにありますように、状況は改善傾向です。」

レポートや論文での言い換え

大学のレポートや学術論文では、客観的で引き締まった表現が求められます。

「上記」でも悪くありませんが、よりアカデミックな印象を与える言葉があります。

  • 「上述の調査結果から、以下の仮説が導き出される。」
  • 「この現象については既述のとおりである。」
  • 「前項で検討したデータを踏まえ、結論を述べる。」

「上記」の言い換え例文

言い換え表現を使った具体的な例文を紹介します。OK例とNG例を見比べることで、より自然な使い方がわかります。

自然に伝わるOK例

文脈に合った表現を選ぶことで、情報の伝達がスムーズになります。

  • 「前述の条件でご了承いただける場合は、ご署名をお願いいたします。」
  • 「これらの理由から、今回のシステム導入を見送る判断をいたしました。」
  • 「さきほどお話ししたスケジュールで進めさせていただきます。」

避けたいNG例

間違った使い方や、不自然な言い回しの例です。

  • NG:(電話口で)「上記の件ですが、どうなっていますか?」
    話し言葉で「上記」を使うのは不自然です。「さきほどの件ですが」などに直しましょう。
  • NG:「上記でおっしゃっていたように……」
    相手の発言を「上記」で受けるのは冷たい印象を与えます。「〇〇様がさきほどおっしゃったように」が適切です。
  • NG:「上述したように、明日のランチはイタリアンでお願いします。」
    カジュアルな内容に対して「上述」は硬すぎて不釣り合いです。「さっきも書いたように」程度で十分です。

言い換え前と言い換え後の比較

メールで箇条書きを用いた直後の文章を例に、言い換えのバリエーションを比較します。

表現の方向性 文例
言い換え前(標準) 上記のとおり、日程の変更をお願いいたします。
フォーマルに 前述いたしましたとおり、日程の変更をお願い申し上げます。
スッキリと この日程でご調整いただけないでしょうか。
対面・電話で 今申し上げた日程でお願いできますでしょうか。

「上記」の言い換えに関するよくある質問

「上記」の対義語は何ですか?

「上記」の対義語は「下記(かき)」です。これより後に書かれている内容を指す際に「以下の通りです」や「下記をご参照ください」という形で使います。ちなみに「前述」の対義語は「後述(こうじゅつ)」となります。

「右記」という言葉は現在も使いますか?

「右記(ゆうき)」は縦書きの文章で、自分の右側(前)に書かれた内容を指す言葉です。手紙や一部の公用文など縦書きのフォーマットでは現在も使われますが、横書きが主流のビジネスメールやWeb文書では「上記」や「前述」を使うのが一般的です。

「上記」を目上の人に使っても失礼になりませんか?

「上記」自体は単なる指示語であり、尊敬や謙譲の意味は含まれていません。そのため「上記のとおりです」とだけ書くと、目上の人に対してはやや事務的で冷たい印象を与えかねません。「上記のとおりとなりますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」など、前後の言葉を丁寧な敬語にすることで失礼を防げます。

箇条書きの後、必ず「上記」で受けないといけませんか?

いいえ、必ずしも「上記」を使う必要はありません。「これらの条件で」「そちらの日程で」など、具体的な指示語や名詞に置き換えた方が、文章が自然で読みやすくなることが多いです。

履歴書や自己PRで「上記」の代わりに使える言葉はありますか?

履歴書の志望動機などで前の枠に書いた経歴を指す場合、「前述の経験を活かし」「ここまでの経歴で培った」などと言い換えると、より自分事として熱意が伝わりやすくなります。

「上記」の言い換えまとめ

「上記」はビジネスで欠かせない便利な言葉ですが、文章のトーンや伝達手段に合わせて言い換えることで、より的確で洗練されたコミュニケーションが可能になります。

最後に、本記事で解説した言い換えのポイントを振り返ります。

  • ビジネス文書やメール:「前述(の)」「先述(の)」「上述(の)」を選ぶと無難。
  • 話し言葉やプレゼン:「さきほどの」「今申し上げた」「こちらの」など耳で聞いてわかる言葉にする。
  • 文章をスッキリさせる:「この」「これらの」「その件」といった自然な指示語を活用する。
  • 硬い文書や論文:「既述」「前項」などで引き締める。

言葉の指し示す範囲や相手との関係性を意識して、場面ごとに最適な表現を選んでみてください。

少しの言い換えが、あなたの文章や言葉の説得力を大きく引き上げてくれるはずです。