「正直に言うと」の代表的な言い換え候補として、ビジネスですぐに使えるのは「率直に申し上げますと」「実を言いますと」「包み隠さず申し上げますと」です。
取引先へのメールなら「率直に申し上げますと」、上司との少し丁寧な会話なら「実を言いますと」を選ぶとしっくりきます。
伝える相手や内容の重さによって、最適な言葉は変わるものです。
この記事では、「正直に言うと」の言い換え候補から、ニュアンスの違い、ビジネスや面接での具体的な例文までを詳しくお伝えします。
「正直に言うと」の言い換え表現を一覧で紹介
本音や事実を切り出すときの言葉は、相手との関係性で使い分ける必要があります。
まずは、どのような場面でも使いやすい代表的な表現を見ていきましょう。
まず使える言い換え候補
「正直に言うと」を言い換えるときに、優先して検討したい候補です。
- 率直に申し上げますと(そっちょくにもうしあげますと)
- 実を言いますと(じつをいいますと)
- 実のところ(じつのところ)
- 包み隠さず申し上げますと(つつみかくさずもうしあげますと)
- ありのままに申し上げますと(ありのままにもうしあげますと)
- 本音を申しますと(ほんねをもうしますと)
- 忌憚なく申し上げますと(きたんなくもうしあげますと)
ニュアンス別の言い換え早見表
どの言葉をいつ使うべきか、シーンやニュアンスごとに整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取引先・改まった場面 | 率直に申し上げますと、忌憚なく申し上げますと |
| 社内・少し丁寧な会話 | 実を言いますと、実のところ |
| 深い事情や本音を話す時 | 包み隠さず申し上げますと、ありのままに申し上げますと |
「正直に言うと」の言い換えを選ぶポイント
同じ事実を伝える場合でも、選ぶ言葉ひとつで相手に与える印象は大きく変わります。
文脈に合わせた言葉選びの基準をお伝えします。
フォーマルな場面や相手との距離感に合わせる
ビジネスメールや面接で「正直に言うと」を使うと、少しカジュアルで稚拙な印象を持たれるかもしれません。
客観的で引き締まった印象を与える「率直に申し上げますと」を選ぶのが無難です。
相手にきちんとした敬語を使える大人であるという信頼感を与えることができます。
言いにくいことを伝えるクッション言葉として使う
相手の提案を断ったり、ネガティブな事実を伝えたりする場面もあるでしょう。
この場合は、事実を突きつけるのではなく、少し歩み寄る姿勢を見せることが重要です。
「実を言いますと」や「本音を申しますと」など、自分の内面を打ち明けるような表現を選ぶと、角が立ちにくくなります。
「正直に言うと」の意味とビジネスで避けるべき理由
言葉の持つ本来の響きを知っておくと、なぜ言い換えが必要なのかが理解できます。
ビジネスシーンで潜むリスクも確認しておきましょう。
「正直に言うと」が持つ基本的な意味とニュニュアンス
「正直」とは、嘘や偽りがないことを指します。
「正直に言うと」は、これまで口にしていなかった本音や隠していた事実を、これから明かしますよという合図(つなぎ表現)です。
日常会話では、相手との距離を縮めるフランクな表現として機能します。
言い訳がましく聞こえるリスクに注意
ビジネスの場では、「正直に言うと」が自己弁護の枕詞に聞こえる危険性があります。
「正直に言うと、時間が足りませんでした」などと言うと、言い訳がましく響くものです。
「じゃあ、今までのは嘘だったの?」と受け取られるリスクすらあります。
そのため、より客観的な「率直に申し上げて」や「事実を申し上げますと」に変換する方が安全です。
「正直に言うと」のシーン別の言い換え例
具体的な場面を想定して、どのように言い換えるかをシミュレーションしてみましょう。
迷ったときの参考にしてください。
ビジネスメールや取引先への連絡で使う場合
相手の意向に沿えない場合や、シビアな意見を伝える場面です。
「率直に申し上げますと、現在の予算では厳しい状況です」と表現することで、感情的にならずに事実を提示できます。
誠実さとプロフェッショナルな姿勢をアピールする効果もありますね。
上司への報告や少し丁寧な会話で使う場合
社内の会議や、先輩に相談を持ちかける場面です。
「実のところ、この進め方に少し不安を感じております」といった表現がぴったりです。
硬すぎず、かつ崩れすぎない絶妙な距離感で本音を伝えることができます。
面接で自分の本音や事実を伝える場合
採用面接で、他社の選考状況や自身の弱みについて問われた場面です。
「包み隠さず申し上げますと、現在は〇〇業界も視野に入れております」と答えることで、誠実な人柄が伝わります。
言葉を濁すよりも、堂々と言い切る方が好印象に繋がります。
「正直に言うと」の言い換え例文
ここからは、実際の文章に組み込んだ例文を紹介します。
文脈として自然かどうかを確認してみてください。
自然に伝わるOK例
相手や場面にしっかりとマッチしている例文です。
- 率直に申し上げますと、今回のスケジュールでの納品は困難です。(取引先へのメール)
- 実を言いますと、先日のシステムトラブルの原因はまだ特定できておりません。(上司への報告)
- ありのままに申し上げますと、前職を退職した理由はキャリアアップのためです。(面接)
- 忌憚なく申し上げますと、こちらのデザイン案の方がユーザーに響くと考えます。(会議での意見)
避けたいNG例
文脈と表現のトーンが合っていない例文です。
- 正直なところ、御社の製品は少し高すぎます。(取引先には失礼)
- ぶっちゃけ、このプロジェクトは失敗すると思います。(ビジネスの場に不適切)
- 包み隠さず申し上げますと、明日は寝坊してしまいました。(遅刻の理由としては大げさすぎる)
言い換え前と言い換え後の比較
言葉を入れ替えるだけで、文章全体の雰囲気がどう変わるかを見てみましょう。
| 言い換え前 | 言い換え後 |
|---|---|
| 正直に言うと、少し厳しい条件です。 | 率直に申し上げますと、少し厳しい条件でございます。 |
| 正直に言うと、別の部署への異動を希望しています。 | 本音を申しますと、別の部署への異動を希望しております。 |
「正直に言うと」に近い言葉との違い
似たような意味を持つ言い換え表現でも、微妙なニュアンスの差があります。
状況に合った言葉を正確に選ぶための手がかりです。
似ている表現とのニュアンス比較
「率直に」は、自分の感情を交えず、事実や意見をストレートに伝える際に使います。ドライでプロフェッショナルな響きです。
「実を言いますと」は、相手が知らないであろう裏側の事情や、自分の心情を打ち明ける際に使います。少しウエットな人間味のある響きです。
「忌憚なく」は、遠慮することなくズバリと言うこと。目上の人から「忌憚のない意見を聞かせてほしい」と言われた時の返しとして、「それでは忌憚なく申し上げますと〜」と使うのが一般的です。
迷ったときの選び方
単純に意見や事実を述べたいだけなら「率直に申し上げますと」一択で問題ありません。
言いづらい事情や、個人的な相談を持ちかけるようなトーンを出したい場合は「実のところ」「実を言いますと」を選ぶとスムーズです。
「正直に言うと」の言い換えに関するよくある質問
言い換え言葉を選ぶ際によく生じる疑問にお答えします。
適切な言葉を選ぶための手がかりにしてください。
「率直に申し上げますと」と「正直に言うと」の違いは何ですか?
「率直に」は感情を交えず、事実や意見をストレートかつ客観的に伝える表現です。「正直に言うと」は主観的でカジュアルな響きがあり、ビジネスの場では言い訳のように聞こえるリスクがあるため、「率直に」を使うのが一般的です。
面接で「正直に言うと」を使ってもマイナスになりませんか?
一度使った程度で直ちに不採用になることはありませんが、敬語の引き出しが少ないと見なされる可能性があります。「包み隠さず申し上げますと」や「ありのままに申し上げますと」と言い換えることで、誠実さと大人の語彙力を同時にアピールできます。
「ぶっちゃけ」をビジネスで使うのは失礼ですか?
「ぶっちゃけ」は「打ち明ける」から派生した若者言葉・俗語であり、ビジネスシーンでの使用は極めて不適切です。社内のごく親しい同僚との会話以外では避け、「実を言いますと」や「本音を申しますと」に言い換えましょう。
言いにくいことを伝える時に便利なクッション言葉はありますか?
相手の期待に沿えない時は、「申し上げにくいのですが」「恐れ入りますが」「大変心苦しいのですが」といった表現が便利です。事実を伝える前にこれらのクッション言葉を挟むことで、相手への配慮を示すことができます。
「実を言うと」は目上の方に使っても大丈夫ですか?
「実を言いますと」という丁寧語の形であれば、直属の上司や先輩など、日常的に関わる目上の方に対して使っても問題ありません。ただし、初対面の顧客や役員など、より緊張感のある相手には「率直に申し上げますと」の方が適切です。
「正直に言うと」の言い換えまとめ
「正直に言うと」の言い換え言葉は、誰に向けてどのような内容を伝えるかによって正解が変わります。
取引先や面接など改まったビジネスシーンであれば「率直に申し上げますと」、社内での相談や少し丁寧な会話であれば「実を言いますと」や「本音を申しますと」を選ぶのが基本です。
言葉のトーンを状況に合わせることで、あなたのメッセージは不必要な誤解を招くことなく、誠実に相手に届きます。
今回紹介した言い換え表現を参考に、ぜひ自分の本音や事実が一番自然に伝わる言葉を選んでみてください。