「こういう」の言い換えとしてすぐ使えるのは、「このような」「こういった」「この種の」「斯様(かよう)な」などだ。
日常会話では便利で自然な言葉だが、ビジネスメールやレポートなどの改まった場面では、少しカジュアルな印象を与えることもある。
相手との関係性や文章の目的に応じて、より適切な表現に言い換えるのが無難だ。
この記事では、「こういう」の言い換え候補や、ビジネス・論文などでの具体的な使い分け、実践的な例文を紹介する。
「こういう」の言い換え表現を一覧で紹介
「こういう」の代わりとして使える表現は多数ある。場面に合わせて選べるよう、代表的な候補をまとめた。
まず使える言い換え候補
「こういう」を言い換える際、まずは以下の言葉を検討したい。
- このような
- こういった
- この種の
- 斯様(かよう)な
- かかる(斯かる)
- かくの如き(かくのごとき)
- 同種の
- 類似の
文脈によって適切な言葉は変わる。相手に伝えたいニュアンスに合わせて選ぶのがコツだ。
ニュアンス・場面別の言い換え早見表
状況や相手に応じた使い分けを一覧表で整理した。
| 言い換え候補 | ニュアンス・使用場面 |
|---|---|
| このような | 最も標準的で使いやすい。ビジネスから日常まで幅広く対応する。 |
| こういった | 複数の物事をふんわりとまとめる際に向く。やや口語的。 |
| この種の | 同類のカテゴリーを指し示す。レポートや客観的な報告で役立つ。 |
| 斯様(かよう)な | 非常に丁寧で格式高い。お詫びや改まったビジネス文書で使う。 |
| かかる | 古風で硬い表現。契約書や論文などで文章を引き締める際に用いる。 |
「こういう」の言い換えを選ぶポイント
言葉を選ぶ際、意味を変えずに相手との距離感を測ることが大切だ。
ビジネスや敬語の場面に合わせる
上司や取引先との会話、あるいはメールでは「このような」を選ぶのが基本だ。
「こういう」は砕けた印象を与えるため、敬意を示す場面では不適切と受け取られるリスクがある。
より丁寧な印象を与えたい場合は「斯様な」も選択肢に入るが、現代の日常的なビジネスシーンではやや大げさに聞こえることもある。
状況に応じて、硬すぎず崩れすぎない表現を見極める必要がある。
レポートや論文など文章の硬さに合わせる
レポートや論文では、客観性と論理性が求められる。
「こういう」という指示語は口頭での響きが強いため、「このような」や「この種の」に置き換えるのが鉄則だ。
また、「かかる事態」のように、少し古風で硬い表現を用いることで、文章全体のトーンを引き締める効果も期待できる。
前後の文脈とのバランスを見ながら、つなぎ表現として機能する言葉を選ぼう。
「こういう」の意味とニュアンス
言い換えを考える前に、元の言葉が持つ意味を再確認しておく。
「こういう」が持つ基本的な意味
「こういう」は、話し手にとって身近な事柄や、直前に述べた状態を指し示す言葉だ。
「このような」が音変化した形であり、性質や状態を形容する際に使われる。
日常会話において、私たちは無意識にこの言葉を使っている。
言い換えるときに残すべき印象
言い換える際は、対象を的確に指し示す機能を損なわないようにする。
「これ」という近い距離感を維持しつつ、相手との関係性に合わせて丁寧さを調整する。
意味の骨格を残したまま、外側の衣装だけを着替えるイメージだ。
「こういう」のシーン別の言い換え例
具体的な場面ごとに、最適な言い換え表現を見ていく。
ビジネスメール・上司への報告
ビジネスシーンでは、誤解を生まない明確で丁寧な言葉遣いが求められる。
- 「こういうトラブルが発生しました」→「このようなトラブルが発生いたしました」
- 「こういうご提案はいかがでしょうか」→「この種のご提案はいかがでしょうか」
「このような」に置き換えるだけで、文面が格段に整う。
レポート・論文などの客観的な文章
アカデミックな文章や公的な文書では、主観を交えず事実を淡々と述べる。
- 「こういうデータが得られた」→「このようなデータが得られた」
- 「こういうケースでは」→「本事例においては」
「こういう」を排除し、より厳密な言葉に置き換えることで、説得力が増す。
日常会話・カジュアルな連絡
友人や親しい同僚とのやり取りでは、「こういう」をそのまま使っても問題ない。
少しニュアンスを変えたい場合は以下のように工夫できる。
- 「こういうの好きだな」→「こういったものが好きだな」
- 「こういう時はどうするの?」→「こんな時はどうするの?」
「こんな」を使うと、より親密で柔らかい空気を演出できる。
「こういう」の言い換え例文
実践で迷わないよう、具体的なOK例とNG例を挙げる。
自然に伝わるOK例
相手に不快感を与えず、スムーズに意図が伝わる文例だ。
- 先日の会議で決定した、このような方針で進めたいと存じます。
- こういった事例は過去にも報告されております。
- この種の問題は、早期に解決する必要があります。
避けたいNG例
文脈と合っていない、あるいは相手に失礼になる使い方だ。
- (取引先への謝罪メールで)こういうミスが起きてしまい申し訳ありません。
- (論文の考察で)こういう理由から、AはBであると結論づける。
これらは「このような」に直すだけで、違和感が解消される。
言い換え前と言い換え後の比較
変化を分かりやすく比較してみよう。
| 言い換え前(こういう) | 言い換え後 |
|---|---|
| こういう事情がありまして | このような事情がございまして |
| こういう結果になりました | こういった結果となりました |
「こういう」に近い言葉との違い
似たような指示語との微妙なニュアンスの差を整理する。
「このような」「こういった」とのニュアンス比較
「こういう」は最も口語的で、カジュアルな響きを持つ。
「このような」は標準的な丁寧さがあり、文章でも会話でも通用する万能選手だ。
「こういった」は「このような」に似ているが、複数の要素や種類をふんわりとまとめるニュアンスを含む。
迷ったときの選び方
迷ったときは「このような」を選んでおけば間違いない。
相手を不快にさせるリスクが最も低く、どんな文脈にもなじむ。
複数の事例を挙げて「〜みたいなもの」と言いたい時は「こういった」を使うと自然だ。
「こういう」の言い換えにまつわる話
言葉の変遷を見ると、「こういう」の成り立ちが見えてくる。
古くは「かくのごとき(斯くの如き)」や「かかる(斯かる)」という表現が使われていた。
時代が下るにつれて、より発音しやすい「このような」へと変化し、話し言葉として短縮されたのが「こういう」だ。
私たちが日常的に使っている言葉も、歴史の中で少しずつ形を変えてきた事実がある。
言葉のルーツを知ると、場面に応じた適切な表現を選びやすくなる。
「こういう」の言い換えに関するよくある質問
つなぎ表現に関するよくある疑問に答えていく。
「こういう」は敬語として使えますか?
「こういう」自体は敬語ではない。丁寧な言葉遣いが求められる場面では「このような」や「こういった」に言い換えるのが適切だ。
履歴書で「こういう経験」と書くのはアリですか?
履歴書などの正式な書類では「こういう経験」は少し砕けすぎた印象を与える。「このような経験」や「同種の経験」と書く方が、採用担当者に良い印象を与える。
「こういう」と「こういう風な」の違いは何ですか?
「こういう」が直接的に物事を指すのに対し、「こういう風な」はその様子や状態に焦点を当てた、より曖昧で柔らかい表現だ。ビジネスシーンでは、どちらも「このような」に統一した方が無難である。
「斯様な(かような)」は現代でも使いますか?
お詫びの文章や、極めてかしこまったビジネス文書などでは現在でも使われる。しかし、口頭で使うと大げさに聞こえるため、一般的な会話では避けた方が自然だ。
論文で「こういう」を使うと減点されますか?
論文の評価基準にもよるが、口語表現である「こういう」は不適切とみなされる可能性が高い。客観性を示すために「このような」を使用しよう。
「こういう」の言い換えまとめ
「こういう」は日常会話では便利だが、ビジネスや学術的な文章では「このような」に言い換えるのが基本だ。
相手との関係性や、その場にふさわしい言葉の硬さを意識することが求められる。
今回紹介した「こういった」「この種の」「斯様な」などの候補を、状況に合わせて使い分けてほしい。
適切なつなぎ表現を選ぶことで、あなたの意図はより正確に、そして美しい形で相手に届く。