「また」の2回目を回避!言い換え表現と自然な文章のつなぎ方

文章を書いているとき、「また、〇〇の件ですが〜。また、〇〇も〜」と無意識に連続してしまい、慌てて消して書き直す。そんな経験は誰にでもあるはずです。

「また」は非常に便利な言葉ですが、2回以上続くと文章が稚拙に見えたり、読み手のリズムを崩したりしてしまいます。

「また」の2回目を言い換えたいとき、情報を付け足すなら「さらに」や「加えて」が便利です。もう一度という意味なら「再度」や「改めて」が適しています。

この記事では、どの言葉を、どんな場面で、どう使えばよいか、迷わず判断できるように類語のニュアンスと具体的な例文を解説します。

  • 3秒で分かる言い換え早見
  • 情報を付け足す表現:さらに、加えて、併せて、その上
  • もう一度を意味する表現:再度、改めて、再び
  • ビジネスで無難な表現:併せて、再度
  • 接続詞を連続させない、プロの文章構成テクニック
  • そのまま使える場面別のOK例文とNG例文

「また」が2回続くときの言い換え表現を一覧で紹介

言葉の引き出しが多いほど、文章は単調さを抜け出し、読みやすくなります。

「また」という言葉には、大きく分けて「情報を付け足す(並列・追加)」役割と、「もう一度(再度・反復)」という役割があります。どちらの意味で使っているかによって、言い換えるべき言葉はまったく異なります。

情報を付け足すときの言い換え(さらに、加えてなど)

「Aです。また、Bです」のように、前の事柄に別の情報を追加する際の表現です。

2回目の「また」を以下の言葉に置き換えるだけで、論理的なつながりがはっきりします。

言い換え候補 ニュアンス・適した場面
さらに(更には) 最も汎用性が高く、口頭でもメールでも自然。前段の内容から一歩踏み込んだり、程度を強調したりする際に使う。
加えて 別の要素を純粋に足すニュアンス。「さらに」ほど強調せず、淡々と情報を並べたいときに便利。
併せて(あわせて) 複数の事柄を同時に行う、または同時に知らせる際に使う。ビジネスメールで「併せてご査収ください」のように重宝する。
および(及び) 名詞と名詞をつなぐ硬い表現。「AおよびB」のように、並列の関係を公式な文書で示すのに向いている。
ならびに(並びに) 「および」と同様に硬い表現。複数の項目を列挙する際、グループを分けて階層をつける場合などに用いる。
その上 「さらに」よりも強調の度合いが強い。ポジティブなこと(その上、安い)にもネガティブなこと(その上、遅い)にも使える。

同じことを繰り返すときの言い換え(再度、改めてなど)

「またご連絡します」「また失敗した」のように、動作の反復や再開を表す際の表現です。

副詞としての「また」は、以下の言葉に言い換えるとビジネスシーンにふさわしい丁寧さが出ます。

言い換え候補 ニュアンス・適した場面
再度(さいど) ビジネスで最も無難な言い換え。「再度ご連絡いたします」「再度ご確認ください」など、確認や連絡の場面で多用する。
改めて(あらためて) 日や機会を変えて、新しい気持ちで行うニュアンス。「本日はお時間いただきありがとうございました。改めてお見積りをお送りします」のように使う。
再び(ふたたび) 客観的な事実として、もう一度同じ状態になったことを表す。「再び問題が発生した」など、レポートや報告書に向いている。
今一度(いまいちど) 「もう一度だけ」という念押しのニュアンス。相手に再度の確認や協力を促す際、「今一度ご確認のほど〜」と丁寧にお願いするときに使う。
重ねて(かさねて) 同じことを繰り返して行うこと。お詫びやお礼で「重ねて御礼申し上げます」のように、誠意を強調する決まり文句として使われる。

場面で変わる「また」の言い換えと使い分け

言葉は、誰に、どのような手段で伝えるかによって正解が変わります。

具体的なシーンごとに、どの表現を選ぶべきかを見ていきましょう。

ビジネスメールや社外の相手への丁寧な表現

社外の取引先や顧客に対するメールでは、用件を漏れなく、かつ礼儀正しく伝えることが求められます。

情報の追加で「また」が連続しそうなときは、2回目を「併せて」や「加えて」に変換します。「また、明日の会議室の件ですが〜。また、資料も添付いたします」ではなく、「明日の会議室の件ですが〜。併せて、資料も添付いたします」とすると、文章がすっきり引き締まります。

再連絡の場面では「またご連絡します」と言うと、少しぞんざいな印象を与えます。「改めてご連絡申し上げます」や「再度ご連絡いたします」に切り替えてください。

レポートや公式な文書での硬い表現

客観的な事実や論証を述べるレポートでは、話し言葉のニュアンスを完全に排除しなければなりません。

「また」という接続詞が多用されると、思いつきで情報を足しているような、行き当たりばったりの印象を与えてしまいます。

並列の関係を示す際は「および」や「ならびに」、論理を展開する際は「さらに」や「加えて」といった硬質な接続詞を計画的に配置します。

社内チャットや日常会話での自然な表現

気心の知れた同僚とのチャットや、友人との会話では、無理に硬い言葉を使う必要はありません。

「また」を2回連続で使っても、会話のスピード感の中ではそれほど違和感になりません。

少し文字面を整えたいなら、「あと」「それに」「それと」といった口語的な表現が自然に馴染みます。ここで急に「併せて」や「重ねて」などと使うと、よそよそしい空気になってしまうため、場に合った言葉を選んでください。

「また」の連続を回避して自然な文章を書くコツ

単語を別の言葉に入れ替えるだけが「言い換え」ではありません。

そもそも接続詞に頼りすぎないことが、プロの書き手が実践している最も有効な文章テクニックです。

接続詞を消して文脈だけでつなぐ

文章を書く際、「また」を「さらに」や「加えて」に言い換えたとしても、文の頭に毎回接続詞が連続すると、非常に読みにくい文章になります。

意味が通じるなら、接続詞は思い切って削ってしまって構いません。

「新機能Aを追加しました。さらに、機能Bも改善しました。加えて、価格も見直しました。」

これは間違いではありませんが、少し機械的です。

「新機能Aを追加し、機能Bも改善しました。価格についても見直しを行っております。」

このように、文と文をつなげたり、主語や助詞を工夫したりすることで、接続詞を消すのも立派な「言い換え」です。

箇条書きを活用して情報を整理する

「また」が連続する最大の原因は、複数の異なる情報を、無理に一つの段落の中に押し込もうとしているからです。

伝えたい要素が3つ以上ある場合は、接続詞でつなぐのをやめ、箇条書きへの変換を検討します。

  1. 「また」でつなごうとしている要素を抜き出す。
  2. 共通する見出し文を作る(「本日の確認事項は以下の3点です」)。
  3. 箇条書きでシンプルに並べる。

ビジネス文書において、箇条書きは読み手の負担を劇的に下げる最強のツールです。「また」の言い換えに迷ったら、まずは箇条書きにできないかを疑ってみてください。

「また」の言い換え例文

理屈を覚えたら、次は実際の文章の形に落とし込んでみます。

そのまま使えるOK例と、違和感のあるNG例を比較して感覚を掴んでください。

スムーズに意図が伝わるOK例文

相手の立場や状況に合わせて、接続詞の重複を回避した自然な例文です。

  • 情報の追加:明日の会議資料を添付いたします。併せて、議事録のフォーマットもご確認ください。
  • 程度の強調:昨年の売上を大幅に達成しました。さらに、顧客満足度も過去最高を記録しています。
  • 再度の連絡:本日はご不在のようでしたので、明日改めてお電話させていただきます。
  • 念押し:提出期限が迫っております。今一度、ご自身の提出状況をご確認ください。
  • 箇条書きでの整理:今回のアップデートでは、デザインの刷新、処理速度の向上、およびセキュリティの強化を行いました。

読みにくさを与えるNG例文と改善案

「また」が連続してしまい、論理のつながりやリズムが悪くなっている例文です。

場面 NGな連続使用 改善案
取引先への連絡 お見積書をお送りします。また、納期のご確認をお願いします。また、ご不明点があればご連絡ください。 お見積書をお送りいたします。納期についても併せてご確認ください。ご不明点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
社外向けの報告書 システムAに障害が発生しました。また、システムBも停止しました。また、復旧のめどは立っていません。 システムAに障害が発生し、システムBも停止する事態となりました。現在、復旧のめどは立っておりません。
上司への再確認 資料を修正しました。また見てください。また質問させてください。 資料を修正いたしましたので、再度ご確認をお願いいたします。後ほど、改めてご相談させてください。

似た接続詞「さらに」「加えて」「併せて」のニュアンス比較

言い換え候補として頻出するこの3つの言葉。どれを使っても意味は通じますが、厳密には持っているニュアンスが異なります。

使いどころを整理しておきましょう。

それぞれの適した場面と使い分け

「さらに」は、前の事柄に対して、程度がより進んだり、規模が大きくなったりする際に使います。単なる追加ではなく、「その上もっと」という上昇志向や強調のニュアンスが含まれます。

「加えて」は、前の事柄に別の事柄をシンプルに足し合わせる際に使います。感情的な強調は少なく、事実を客観的に積み上げるため、レポートや説明文に向いています。

「併せて」は、2つ以上の物事を同時に進行させる、または一緒に行うことを相手に促す際に重宝します。「資料をお送りします。併せてご確認ください」は、ビジネスメールの王道パターンです。

言葉選びに迷ったときの判断基準

どの接続詞にするか悩んだ際は、以下の手順で思考を整理します。

  1. 相手に何か「同時にお願いしたい」ことがあるか。あるなら「併せて」を選ぶ。
  2. 前の事実よりも「より強調したい、すごいこと」があるか。あるなら「さらに」を選ぶ。
  3. ただ淡々と「別の事実を並べたい」だけか。それなら「加えて」を選ぶ。
  4. 3つ以上の項目になるなら、接続詞を捨てて「箇条書き」にする。

「また」の言い換えにまつわる話

少し視点を変えて、なぜ私たちは文章を書くときに「また」を多用してしまうのでしょうか。

それは、人間の思考が「思いついた順」に情報を吐き出そうとするからです。「あれも伝えなきゃ。また、これも言っておこう」と、思考の軌跡がそのまま文章に反映されているのです。

「また」が連続する文章は、書き手にとっては楽ですが、読み手にとっては「全体像が見えないまま、次々と新しい荷物を手渡される」ような疲労感を与えます。

推敲の段階で「また」の連続に気づけたなら、それは大きなチャンスです。思いつきの羅列から、読み手を意識した「設計された文章」へと引き上げるサインだからです。接続詞をきれいに言い換えたり、順番を入れ替えたりする手間が、あなたの文章の信頼性を確実に高めてくれます。

「また」の言い換えに関するよくある質問

「また」の言い換えについて、疑問に持ちやすいポイントをまとめました。

「また」を1つのメールで2回使うのはマナー違反ですか?

厳密なマナー違反ではありませんが、文章が稚拙に見えたり、要点がぼやけたりするため推奨されません。同じ接続詞の連続は読み手のリズムを崩すため、2回目は「さらに」や「併せて」に言い換えるか、文章を統合して接続詞自体を削るのがスマートです。

「また」と「さらに」の違いは何ですか?

「また」は並列に情報を追加する(AとBを並べる)ニュアンスが強いのに対し、「さらに」は前の事柄から程度が一段階上がる、または強調する(Aの上をいくB)ニュアンスを持っています。より強い印象を与えたい場合は「さらに」を選択します。

再度連絡するとき、「またご連絡します」はどう言い換えますか?

ビジネスシーンでは「改めてご連絡申し上げます」や「再度ご連絡いたします」と言い換えるのが適切なマナーです。「また」という響きはカジュアルで、少しぞんざいな印象を与える恐れがあるため、目上の方や取引先に対しては控えるのが無難です。

レポートで「また」が連続する場合の対処法は?

レポートや論文では、論理構造を明確にすることが重要です。単なる情報の列挙であれば「加えて」や「および」、因果関係や程度の発展があるなら「さらに」へ変換します。要素が3つ以上続く場合は、接続詞でつなぐのをやめ、箇条書きに整理する方が客観的で読みやすくなります。

「また、〜。また、〜。」と続いてしまった文章はどう直せばよいですか?

すべての文を独立させて接続詞でつなごうとするから連続してしまいます。「Aを修正しました。また、Bも変更しました」を、「Aの修正に加え、Bも変更しております」のように、一つの文の中に情報を統合し、文脈でつなぐように書き直してみてください。

「また」の言い換えまとめ

「また」という言葉は、情報を足すにも、動作を繰り返すにも使える万能な表現です。

しかし、万能ゆえに無意識に多用してしまい、文章のプロフェッショナルさを損なう原因にもなります。

情報を追加するなら「さらに」「加えて」「併せて」、再度のアクションなら「改めて」「再度」と、その場の文脈に最も適した言葉を意図的に選んでみてください。

そして、本当にその接続詞が必要なのかを問い直し、時には「削る」、あるいは「箇条書きにする」という選択肢を持つことで、あなたの文章は格段に読みやすく、洗練されたものになるはずです。