「したり」の言い換えで文章を洗練!状況別の適切な類語と例文

「したり」の言い換えには、「〜をはじめ」「〜および」「〜といった」などがあります。

日常会話では「資料を作成したり、会議に出たりします」のように便利に使われますが、ビジネス文書や論文では少し幼い印象を与えかねません。

前後の文脈や、複数の事柄を並列したいのか、一部を例として挙げたいのかによって、最適な言葉が変わります。

この記事では、「したり」の言い換え候補や、ビジネス・レポートでの適切な使い分け、具体的な例文を詳しく解説します。

目的 「したり」の言い換え候補
すべてを並べる(並列) 〜および〜、〜ならびに〜、〜と〜
代表的なものを挙げる(例示) 〜をはじめ、〜といった、〜など
繰り返す(反復) 〜を繰り返す、〜を交互に行う
同時に行う(並行) 〜しつつ、〜しながら、〜と並行して

「したり」の言い換え表現を一覧で紹介

「したり」を言い換える際は、伝えたい内容が「並列」なのか「例示」なのかを軸に言葉を選びます。

ビジネスや学術的な文章で使える表現を整理してご紹介します。

まず使える言い換え候補

文章を洗練させたいときに、すぐに使える言い換え候補を目的別にまとめました。

日常的な「〜したり」をこれらに置き換えるだけで、文章全体の説得力が格段に上がります。

  • 〜および〜(複数の事柄を同列に並べる)
  • 〜ならびに〜(グループ分けして並べる)
  • 〜をはじめ(代表的なものを一つ挙げて他をまとめる)
  • 〜といった(いくつかの例を挙げてまとめる)
  • 〜など(例を挙げて、他にもあることを示す)
  • 〜しつつ(二つの動作を同時に行う)
  • 〜と並行して(二つの物事を同時に進める)
  • 〜を繰り返す(同じ動作や状態が反復する)

これらの表現は、相手に伝えたい情報の輪郭をはっきりとさせる効果があります。

ニュアンス別の言い換え早見表

伝えたい細かなニュアンスによって、選ぶべき表現が変わります。

場面や用途に合わせて適切な言葉を選べるよう、ニュアンスごとの違いを比較表で確認しておきましょう。

言い換え候補 ニュアンス・特徴 適したシーン
〜および〜 複数の名詞を対等な関係で完全に並べる 契約書、公式な案内、論文
〜ならびに〜 大分類と小分類を区別して並べる 式典の案内、複雑な条件の列挙
〜をはじめ 最も重要なものを筆頭に挙げ、敬意や強調を示す お礼状、挨拶文、広報資料
〜といった 同類のものをいくつか挙げて例示する ビジネスメール、企画書
〜など 他にもあることを含ませつつ、簡潔にまとめる 一般的な報告、日常的な連絡

文脈に合わせてこれらの言葉を使い分けることで、読み手にとってストレスのない、論理的な文章を作成できます。

「したり」の言い換えを選ぶポイント

「したり」の言い換えを成功させるには、情報を整理する意図と、相手との関係性を考慮することが重要です。

ここでは、適切な表現を選ぶための3つのポイントを解説します。

並べたいのか例を挙げたいのかを明確にする

「したり」を言い換える際の最大の分岐点は、該当するものをすべて並べるのか、あくまで例として一部を挙げるのかという点です。

すべてを列挙したい場合は「〜および〜」や「〜と〜」を使用します。

一方で、たくさんある中からいくつかを紹介したい場合は「〜といった」や「〜をはじめ」が適しています。

例えば「データの収集をしたり、分析をしたりしました」という文があったとします。

その二つの業務しかしていないなら「データの収集および分析を行いました」が正確です。

他にも業務があったのなら「データ収集や分析などの業務を行いました」とするのが自然です。

文章の硬さや相手との距離感に合わせる

文章のフォーマル度合いによって、選ぶべき言い換え表現は変わります。

社内の気心知れた相手へのチャットと、社外の取引先へ向けた公式なメールでは、適切な言葉遣いが異なります。

  • 非常に硬い(公文書・契約書):および、ならびに
  • やや硬い(社外メール・論文):をはじめ、といった、と並行して
  • 標準的(社内メール・会話):や、など、しつつ

過剰に硬い言葉を使うと、かえって堅苦しく不自然な印象を与えてしまうため、媒体や相手に合わせた温度感の調整が必要です。

動詞を名詞化(体言化)してスマートに見せる

「したり」を言い換える際の強力なテクニックが、動詞を名詞(熟語)に変換することです。

「〜する」という動作の言葉が続くと、文章が冗長になりがちです。

これを名詞に置き換えることで、すっきりと引き締まった文章になります。

例えば「お客様に連絡したり、見積書を作ったりしました」という文章を考えてみましょう。

これを「お客様へのご連絡や、見積書の作成を行いました」と名詞化します。

文字数が減り、ビジネスシーンにふさわしい知的で簡潔な表現に生まれ変わります。

「したり」の意味とニュアンス

言い換えをより適切に行うために、まずは「したり」という言葉自体が持つ本来の意味を理解しておきましょう。

意味を分解することで、どの要素を残して言い換えるべきかが見えてきます。

「したり」が持つ基本的な3つの意味

「したり」は、接続助詞の「たり」に動詞「する」の連用形がついた言葉で、主に以下の3つの働きを持ちます。

  • 並列・列挙:複数の動作や状態を並べて示す(例:読書をしたり、音楽を聴いたりする)
  • 例示:多くある動作の中から代表的なものを挙げる(例:休日は映画を見たりする)
  • 反復:対立する動作が代わる代わる起こる(例:雨が降ったり止んだりする)

このように、一つの言葉で複数の意味をカバーできるため、日常会話では非常に便利な表現です。

ビジネスや論文では避けた方がよい理由

便利である反面、ビジネス文書や学術論文で「したり」を多用することは推奨されません。

理由は大きく分けて二つあります。

一つ目は、話し言葉(口語)のニュアンスが強く、文章が幼く見えてしまうためです。

「〜したり〜したりしました」と繰り返すと、小学生の日記のような単調なリズムになり、プロフェッショナルな印象を損ないます。

二つ目は、並列なのか例示なのかが曖昧になり、情報が正確に伝わらないリスクがあるためです。

論理的な文章では、関係性を明確に示す接続詞や助詞を使うことが求められます。

「たり」を1回だけ使う表現への違和感

現代の日本語では「休日は買い物をしたりします」のように、「たり」を1回だけ使う表現が広く定着しています。

これは「他にも何かしているが、代表例として買い物を挙げた」という例示の用法です。

文法的に完全に間違いというわけではありませんが、本来は「〜たり、〜たりする」と対で用いるのが美しい日本語とされています。

そのため、目上の方への手紙やフォーマルな文章で「たり」を単独で使うと、教養不足だと受け取られる可能性があります。

この場合は「休日は買い物などをして過ごします」と言い換えるのが無難です。

「したり」のシーン別の言い換え例

ここからは、具体的なシチュエーションに応じた「したり」の言い換えパターンを解説します。

場面ごとに最適な表現を使い分けることで、コミュニケーションがより円滑になります。

ビジネスメールや社内文書での言い換え

ビジネスシーンでは、業務の報告や今後の予定を伝える場面で「したり」を使ってしまいがちです。

これを「など」「および」を使って名詞化することで、簡潔で説得力のある文章になります。

報告メールなどでは、やったことをだらだらと動詞で並べず、名詞の箇条書きのようにまとめるのがコツです。

  • 修正前:明日はA社を訪問したり、提案書を直したりします。
  • 修正後:明日はA社への訪問や、提案書の修正を行います。

このように言い換えることで、読む側もスケジュールやタスクを瞬時に把握できるようになります。

レポートや論文など硬い文章での言い換え

学術的なレポートや論文では、客観性と厳密性が求められるため「したり」は完全に排除すべきです。

複数の要素を対等に並べる場合は「および」、例を挙げる場合は「をはじめとする」「といった」を用います。

  • 修正前:アンケートをとったり、インタビューをしたりして調査した。
  • 修正後:アンケートおよびインタビューによる調査を実施した。
  • 修正前:気温が上がったり、雨が減ったりしたことが原因だ。
  • 修正後:気温の上昇や降水量の減少といった要因が挙げられる。

論理の構造を接続詞や助詞で明示することが、質の高いレポートを書く秘訣です。

履歴書や職務経歴書での自己PRの言い換え

就職活動や転職活動における応募書類では、自分の経験をアピールしようとするあまり「〜したり〜したりしました」と書き連ねてしまう人が多くいます。

しかし、これでは要点がぼやけてしまい、採用担当者にアピールポイントが伝わりません。

自己PRでは、最も伝えたい実績を「〜をはじめ」で際立たせるのが効果的です。

  • 修正前:前職では営業をしたり、後輩の指導をしたりしました。
  • 修正後:前職では新規営業をはじめ、後輩の育成指導にも従事いたしました。

このように言い換えることで、主体的に業務に取り組んできたプロフェッショナルとしての姿勢が伝わります。

複数の動作や状態を繰り返すときの言い換え

「泣いたり笑ったり」「上がったり下がったり」のように、相反する状態が反復する様子を表す「したり」もあります。

これをフォーマルな文章で表現する場合は、状況を俯瞰した言葉に置き換えます。

  • 修正前:株価が上がったり下がったりしている。
  • 修正後:株価が上昇と下落を繰り返している。
  • 修正前:意見が賛成に傾いたり反対に傾いたりした。
  • 修正後:賛否の意見が交錯した。

状況を的確に表す熟語を見つけることで、文章の格調が高まります。

「したり」の言い換え例文とテクニック

ここでは、より実践的な例文を通じて、自然な言い換えのテクニックを確認します。

OK例とNG例を比較することで、なぜ言い換えが必要なのかがはっきりと理解できるはずです。

自然に伝わるOK例

名詞化や適切な接続表現を用いることで、リズムが良く読みやすい文章になります。

  • 企画書の作成ならびにクライアントへのプレゼンを担当いたしました。
  • 本プロジェクトでは、システム設計および運用テストを実施します。
  • 英語をはじめとする語学学習に力を入れています。
  • コスト削減や品質向上といった課題に取り組みました。

これらの例文は、何と何が並んでいるのか、何が例として挙げられているのかが一目でわかります。

避けたいNG例

一方で、ビジネスシーンにおいて幼稚な印象を与えたり、意味が曖昧になったりするNG例を見てみましょう。

  • NG:昨日はトラブルの対応をしたり、お客様に謝ったりで大変でした。
  • NG:商品の発注をしたりしました。
  • NG:会議室の予約をしたり、資料の印刷をしたり、お茶出しをしたりしました。

「〜したり」を連続させると文章が間延びし、要点がどこにあるのか見失ってしまいます。

言い換え前と言い換え後の比較

実際のビジネス文書を想定して、言い換え前後でどのように印象が変わるかを比較表で確認します。

言い換え前(したりを使用) 言い換え後(名詞化・適切な助詞)
在庫の確認をしたり、発注をしたりします。 在庫確認および発注作業を行います。
クレーム対応をしたりして解決しました。 クレーム対応などを通じて事態を収拾いたしました。
エクセルを使ったり、ワードを使ったりできます。 ExcelやWordといったツールの操作が可能です。
売上が増えたり減ったりしています。 売上は増減を繰り返している状況です。

言い換え後の文章は、文字数が圧縮され、スマートで信頼感のある表現になっていることがわかります。

「したり」に近い言葉との違い

「したり」の言い換えを考える際、「や」「と」「など」といった似たような言葉との使い分けに迷うことがあります。

ここでは、それぞれのニュアンスの違いと選び方の手順を整理します。

「や」「と」とのニュアンス比較

名詞を並べる際に使われる「や」と「と」には、明確な意味の違いがあります。

「AとB」は、存在するものがAとBの二つだけ(すべて列挙)であることを示します。

「AやB」は、AとB以外にも同類のものが存在する(一部を例示)ことを示します。

したがって、「資料作成をしたり、電話対応をしたりした」という場合、その二つしか業務を行っていないなら「資料作成と電話対応」、他にも雑務があったなら「資料作成や電話対応」とするのが正確です。

迷ったときの選び方の手順

言い換え表現に迷った際は、以下の手順で思考を整理すると、最適な言葉をスムーズに選べます。

  1. 動詞を名詞にする:「作成したり」→「作成」にする。
  2. すべてか一部か判断する:該当するものを全部並べるのか、例として挙げるのかを決める。
  3. 繋ぎの言葉を選ぶ:全部なら「と」「および」、一部なら「や」「といった」を挟む。
  4. 語尾を整える:「〜を行いました」「〜に対応いたしました」など、文脈に合った丁寧な動詞で締める。

この4つのステップを意識するだけで、誰でも簡単にプロフェッショナルな文章を作成できるようになります。

「したり」の言い換えに関するよくある質問

ビジネスメールで「〜したり〜したり」は失礼ですか?

直ちに失礼にあたるわけではありませんが、ややくだけた口語表現であるため、取引先や目上の方へのメールでは避けるのが無難です。「〜や〜などの」「〜および〜」と言い換えることで、丁寧で知的な印象を与えられます。

「〜たり」を1回だけ使うのは間違いですか?

文法的に厳密な誤りとはいえませんが、本来は「〜たり、〜たりする」と呼応させるのが美しい日本語の基本です。文章においては「〜などをして」と言い換えた方が、違和感を持たれるリスクを減らすことができます。

「〜したりなど」という表現は正しいですか?

「したり」という例示の言葉と、「など」という例示の言葉が重複しているため、少し冗長な表現です。「〜したりします」か「〜などを行います」のどちらか一方にまとめる方が、文章としてすっきりします。

履歴書で「〜したり」を使ってもよいですか?

履歴書や職務経歴書などの公式な応募書類では、「したり」の使用は極力避けてください。自己PRや経歴は、動詞を名詞化し「〜をはじめ」「〜および」などを用いて箇条書きのように論理的に記載する方が、高い評価に繋がります。

「〜たり〜たり」を3つ以上つなげてもよいですか?

「資料を作成したり、会議に出たり、メールを返したりしました」のように3つ以上つなげることは可能ですが、文章が長くなり読みにくくなります。代表的なものを2つ程度選び「資料作成や会議出席などの業務を行いました」とまとめるのがコツです。

「したり」の言い換えまとめ

「したり」という表現は日常会話では便利ですが、ビジネスや論文では幼い印象を与えがちです。

伝えたい内容が「並列」なのか「例示」なのかを見極め、適切な言葉に置き換えることが文章上達の鍵となります。

  • すべてを並べるときは「〜および」「〜と」
  • 一部を例として挙げるときは「〜をはじめ」「〜といった」「〜など」
  • 動詞を名詞化(体言化)すると文章が引き締まる
  • 履歴書や公式なメールでは「したり」の使用を避ける

これらのポイントを意識して言い換えを行うことで、あなたの文章はより論理的で説得力のあるものへと生まれ変わるはずです。

メールや企画書を作成する際は、ぜひ今回ご紹介した言い換えテクニックを活用してみてくださいね。