「すると」の言い換えはどう選ぶ?意味別の類語と自然な削り方

「すると」の代表的な言い換え候補には、「その結果」「したがって」「だとしたら」「それでは」などがあります。

順接や仮定を表す便利な言葉ですが、ビジネスメールやレポートで多用すると、少し稚拙な印象を与えたり、物語のような軽いトーンになってしまったりすることがありますよね。

前後の文脈に合わせて、より論理的な言葉に置き換えたり、思い切って接続詞自体を削ったりするのが、説得力のある文章を作るコツです。

この記事では、「すると」の言い換え候補や、ニュアンスの違い、シーン別の使い分け、そのまま使える例文まで詳しく解説します。

文章の目的や相手に合わせて、最適なつなぎ言葉を選べるようになりましょう。

「すると」の言い換え表現を一覧で紹介

「すると」の言い換えには、前後の文章の関係性によって使い分けるべき複数の表現が存在します。まずは、すぐに使える代表的な言い換え候補を押さえておきましょう。

結果を伝えたいのか、条件を提示したいのかによって選ぶ言葉が変わります。

まず使える言い換え候補

ビジネスシーンや文章執筆で「すると」の代わりに使える、代表的な言い換え候補をまとめました。文脈に合わせて自然なものを選んでください。

  • その結果
  • したがって
  • ゆえに(それゆえ)
  • そこで
  • それでは
  • だとしたら
  • だとすれば
  • となると
  • ということは
  • そうすると

これらの言葉を適切に配置するだけで、文章の論理構成がぐっと明確になります。

ニュアンス別の言い換え早見表

それぞれの言い換え表現には、微妙なニュアンスの違いがあります。前後の文章がどのような関係性にあるかによって、適切な言葉を選びましょう。

言い換え候補 ニュアンス・与える印象 適した場面
その結果 前の事柄が原因となり、物理的または論理的な結果が生じたことを客観的に示す。 事実の報告、施策の効果測定、データ分析の結果を伝えるとき。
したがって 前の事柄を当然の前提として、論理的な結論や判断を導き出す硬い表現。 レポート、論文、公式な企画書などで、筋道を立てて結論を述べるとき。
そこで 前の状況を受けて、問題を解決するために「新しい行動」を起こすことを示す。 課題提起から解決策の提案へつなぐとき、自分のアクションを説明するとき。
それでは 相手の発言や現在の状況を受け止め、次の行動や仮定を促す柔らかい表現。 会議の進行、相手への提案、日常的なビジネスコミュニケーション。
だとしたら 相手の話や特定の条件を「仮」のものとして受け入れ、推論を展開する。 相手の意見に対する反論や、別の可能性を探る議論のとき。
となると 新たな事実や条件が加わったことで、状況が変わることを示唆する表現。 予定変更の相談や、前提条件が変わったことによる影響を説明するとき。

表を見るとわかるように、「その結果」は客観的な事実をつなぐのに向いており、「だとしたら」は仮定の議論に向いています。自分が何を伝えたいのかによって、言葉を慎重に選びましょう。

「すると」の言い換えを選ぶポイント

「すると」を言い換える際は、単に別の言葉に置き換えるだけでなく、文章全体の論理展開やフォーマル度を考慮することが重要です。適切な言葉を選ぶための3つのポイントを見ていきましょう。

結果を伝えるか仮定の話かで選ぶ

言い換え表現を選ぶ最大のポイントは、前後の文章が「原因と結果」なのか、「条件と仮定」なのかを見極めることです。

「すると」はこの両方の意味を持ってしまうため、文章が曖昧になりがちです。ここを明確に切り分けることで、読者の理解度は格段に上がります。

前の文章がすでに起きた事実であり、後ろの文章がその結果生じた事実なら、「その結果」「したがって」を選びます。

前の文章がまだ起きていない条件や、相手から聞いたばかりの話であり、後ろの文章がそこから推測される内容なら、「だとしたら」「となると」「それでは」を選びます。

論理の接続を明確にすることが、説得力のある文章への第一歩です。

文章のフォーマル度(硬さ)に合わせる

相手との関係性や、メール・文書のフォーマル度に合わせて、言い換えの硬さを調整しましょう。

親しい同僚とのチャットや日常会話であれば「そうすると」「それなら」など、話し言葉に近い表現でも問題ありません。

しかし、社外への公式なメールや企画書、大学のレポートなどでは、「その結果」「したがって」「ゆえに」など、より客観的で硬い表現を選ぶべきです。

文章全体のトーンと接続詞の硬さがちぐはぐになると、読者に違和感を与えてしまうため注意が必要です。

接続詞自体を削れないか検討する

文章を洗練させるための強力な手法として、「すると」を別の言葉に言い換えるのではなく、接続詞そのものを削るという選択肢があります。

人間の書く自然な文章では、文脈の順序だけで論理が伝わる場合、過剰な接続詞はノイズになります。「すると」「そして」「だから」が連続する文章は、読書のリズムを崩してしまいます。

たとえば、「ボタンを押した。すると、画面が切り替わった。」という文章は、「ボタンを押すと、画面が切り替わった。」や「ボタンを押した結果、画面が切り替わった。」と一文にまとめることができます。

接続詞を足す前に、まずは削れないか、あるいは前の文と結合できないかを考える癖をつけましょう。

「すると」の意味とビジネスや論文で避けるべき理由

そもそも「すると」とはどのような意味を持ち、なぜビジネスシーンや論文でそのまま使うことが避けられる傾向にあるのでしょうか。本来の役割と注意点を確認しておきましょう。

「すると」が持つ3つの役割

「すると」は、主に以下の3つの役割を持つ接続詞です。

1つ目は、順接や結果です。「薬を飲んだ。すると、熱が下がった」のように、前の事柄が原因となって次の事柄が起きたことを示します。

2つ目は、条件や仮定です。「雨が降っている。すると、試合は中止だろう」のように、前の事柄を条件として、あとの事柄を推論します。

3つ目は、場面の転換や偶然の発見です。「道を歩いていた。すると、旧友にばったり会った」のように、前の動作に続いて思いがけないことが起きたことを示します。

多用すると稚拙な印象を与えやすい理由

「すると」は非常に便利な言葉ですが、ビジネス文書や論文で多用するのは避けた方が無難です。

理由は、物語や絵本の読み聞かせのような、主観的で軽いトーンになりやすいからです。「道を歩いていました。すると、目の前に大きな桃が……」といった物語の語り口を連想させますよね。

ビジネスや学術の場では、客観的な事実と論理的な因果関係が求められます。「すると」という曖昧で情緒的なつなぎ言葉は、論理の甘さや、書き手の語彙力不足を露呈してしまうリスクがあります。

読者を説得するためにも、「その結果」「したがって」など、関係性が明確に定義された論理的な言葉に言い換える配慮が求められます。

「すると」のシーン別言い換え例

ここでは、実際のビジネスシーンや文章執筆でよくある状況ごとに、「すると」をどう言い換えればよいか、具体的な例文を交えて解説します。

ビジネスメールや企画書で結果を伝える場面

施策の効果や、顧客からの反応など、ビジネスにおいて事実とその結果を報告する場面では、客観性を担保する表現が適しています。

「その結果」や「そこで」を使い、事実関係を淡々と、かつ明確に伝えます。

  • 【その結果】
    先月から新しい広告クリエイティブの配信を開始しました。その結果、クリック率が前月比で1.5倍に向上しています。
  • 【そこで】
    既存のシステムでは処理速度に限界が見え始めました。そこで、来期より新しいサーバーへの移行を提案いたします。

「そこで」は、単なる結果ではなく、「だからこう行動した」という意思決定の理由を説明する際に非常に有効です。

レポートや論文で論理を展開する場面

レポートや論文など、高い論理性が求められる文章では、前提から結論を導き出す硬い表現を選びます。

「したがって」や「ゆえに」を使うと、文章全体が引き締まり、学術的なトーンになります。

  • 【したがって】
    本調査のデータから、両者の間には強い相関関係があることが確認された。したがって、事前の仮説は概ね支持されたと言える。
  • 【ゆえに】
    地球温暖化の進行は、海面上昇だけでなく異常気象の頻発も招いている。ゆえに、早急な温室効果ガスの削減が不可欠である。

これらの接続詞は、強い主張を伴う結論の前に置かれることが多いため、直前の根拠が十分に示されているかを確認してから使用しましょう。

相手の発言を受けて仮定の話をする場面

会議での議論や、チャットツールでの相談など、相手の発言を起点にして話を進める場面では、相手の言葉を受け止めるクッションのような表現が適しています。

「それでは」や「となると」を使い、話をスムーズに展開させます。

  • 【それでは】
    ご提示いただいた予算では、追加機能の開発が難しい状況です。それでは、フェーズを2つに分けてリリースするのはいかがでしょうか。
  • 【となると】
    明日の屋外イベントが雨天で中止になる可能性があるのですね。となると、参加者への返金手続きを急いで準備する必要があります。
  • 【だとしたら】
    現在のアプローチではターゲット層に響いていないようです。だとしたら、訴求の切り口を根本から見直すべきかもしれません。

相手の意見を真っ向から否定するのではなく、「あなたの言う通りだとしたら」と一度受け入れることで、建設的な議論につなげやすくなります。

「すると」の言い換え例文と前後の比較

言い換え表現の効果を実感するために、自然に伝わるOK例と、不適切なNG例、そして言い換え前後の比較を確認してみましょう。

自然に伝わるOK例

論理のつながりが明確で、ビジネス文書としてそのまま使えるOK例文です。

  • 先週からシステムのエラーが頻発していました。その結果、多くのユーザーから問い合わせが寄せられています。
  • 競合他社が新製品を前倒しでリリースしてきました。となると、我々もプロモーションの開始時期を再考せざるを得ません。
  • 現行の法律ではこのケースをカバーしきれていません。したがって、新たなガイドラインの策定が急務です。

接続詞が明確な役割を持っているため、読み手は次にどのような情報が来るかを正確に予測できます。

避けたいNG例

間違った使い方や、論理が飛躍して違和感を与えてしまうNG例文です。

  • NG:昨日は残業で帰りが遅くなりました。すると、今朝は寝坊してしまいました。(因果関係が緩く、言い訳がましく聞こえる)
  • NG:商品の売れ行きが好調です。したがって、私のおかげです。(客観的な論理展開ではなく、主観的な主張に「したがって」を使うのは不自然)
  • NG:システムが停止しました。すると復旧作業を行いました。(「すると」は自分の意図的な行動にはつながらない。「そこで」が適切)

接続詞は論理の接着剤です。前後の文章の意味が接着剤の性質と合っていないと、文章全体が破綻してしまいます。

言い換え前と言い換え後の比較

「すると」を使った文章と、適切に言い換えた文章を比較してみましょう。受ける印象の違いがよくわかります。

場面 言い換え前(少し稚拙) 言い換え後(ビジネス適切)
効果の報告 サイトのデザインをリニューアルしました。すると、アクセス数が20%増加しました。 サイトのデザインをリニューアルしました。その結果、アクセス数が20%増加しました。
問題への対処 部品の納品が遅れています。すると、納期に間に合いません。スケジュールの見直しをお願いします。 部品の納品が遅れているため、このままでは納期に間に合いません。そこで、スケジュールの見直しをお願いいたします。
論文の結論 Aの数値はBよりも高い。すると、この仮説は正しいと言える。 Aの数値はBよりも高い。したがって、この仮説は正しいと言える。

言い換えることで、ただの出来事の羅列ではなく、「原因と結果」「課題と対策」というビジネスにおいて重要なフレームワークがはっきりと伝わるようになります。

「すると」に近い言葉との違い

「すると」の言い換えとしてよく使われる「そこで」や「したがって」ですが、それぞれの持つニュアンスの違いを正確に理解して使い分けましょう。

「そこで」とのニュアンス比較

「すると」が単なる時間の経過や自然な成り行きを表すことが多いのに対し、「そこで」は、前の事態を受けて「人間が意図的に次の行動を起こす」ことを表します。

言葉 ニュアンス 例文
すると 前の事柄に続いて、自然に、または偶然に次の事柄が起きる。 ボタンを押した。すると、機械が動き出した。(自然な結果)
そこで 前の事柄(課題や状況)を受けて、解決に向けた新しい行動や判断を提示する。 機械が故障した。そこで、修理業者を手配した。(意図的な行動)

ビジネスにおいて「問題が発生しました。すると対策を打ちました」というのは不自然です。問題に対して主体的に動いたことを示すなら、必ず「そこで」を使いましょう。

「したがって」とのニュアンス比較

「すると」が文脈によって結果にも仮定にもなる曖昧な言葉であるのに対し、「したがって」は、明確に論理的な帰結を示す言葉です。

言葉 ニュアンス 例文
すると 状況の変化や、緩やかな因果関係を示す。主観的な表現にも使える。 少し早く家を出た。すると、いつもより空いていた。
したがって 前の事柄を根拠として、必然的に導かれる結論を客観的に示す。 法律により禁止されている。したがって、この計画は実行できない。

「したがって」は非常に硬く、論理的な強制力が強い言葉です。日常的な軽い報告に使うと大げさに聞こえるため、公式な文書や議論の場で結論を提示するときに限定して使うのが効果的です。

迷ったときの選び方

  1. 前後の関係は「原因と結果」か?
    イエスなら、「その結果」「したがって」などの順接の言葉を選びます。
  2. 結果に対する自分の「行動」を伝えたいのか?
    イエスなら、「そこで」を選びます。
  3. 前後の関係は「仮定と推論」か?
    イエスなら、「だとしたら」「となると」「それでは」などの条件を表す言葉を選びます。
  4. そもそも接続詞は本当に必要か?
    削っても意味が通じるなら、思い切って削るか、文を統合して「〜した結果、」とします。

この手順で選べば、文章の意図がぼやけることを防げます。

「すると」の言い換えに関するよくある質問

「すると」は敬語ですか?

「すると」自体は接続詞であり、敬語ではありません。そのため、上司や取引先へのメールでそのまま使うと、少しカジュアルすぎる印象を与える可能性があります。状況に応じて「その結果」「つきましては」「それでは」などの丁寧な表現や、論理的な接続詞に言い換えるのが適切です。

「すると」を多用してしまうのですが、どう直せばいいですか?

「すると」や「そして」を多用してしまうのは、出来事を時系列でそのまま書き並べているサインです。一度文章を見直し、「原因と結果」であれば「その結果」に置き換えるか、あるいは接続詞を削って2つの文を「〜したところ、〜になりました」と1つの文に結合できないか試してみてください。文章がすっきりします。

履歴書や職務経歴書で「すると」は使っていいですか?

履歴書や職務経歴書などのフォーマルな書類では「すると」の使用は避け、「その結果」や「そこで」に言い換えることを強くおすすめします。「業務を改善しました。すると売上が伸びました」よりも、「業務を改善した結果、売上が伸びました」と書く方が、論理的思考力とビジネスレベルの文章力があることをアピールできます。

「そうすると」と「すると」の違いは何ですか?

「そうすると」は、「すると」の前に指示語の「そう」が付いた言葉です。前に述べた状態や条件を受けて、「そのような状態であれば」という仮定の意味合いが強くなります。会話では自然ですが、文章では冗長になることがあるため、「だとしたら」や「となると」に言い換える方がスマートです。

会話の中で「すると」を丁寧に言い換えるには?

相手の話を受けて会話を展開する場合、「すると、明日は中止ですね」ではなく、「そういたしますと、明日は中止ということですね」や、「それでは、明日は中止の方向で進めます」と言い換えると、丁寧で柔らかい印象になります。

「すると」の言い換えまとめ

「すると」は、文脈によって「その結果」「したがって」「だとしたら」「そこで」などに言い換えることで、文章の論理構成が明確になり、ビジネス文書としての説得力が格段に向上します。

言い換えを選ぶ際は、以下のポイントを意識してみてください。

  • 客観的な結果を伝える:その結果、したがって、ゆえに
  • 次の行動を起こす:そこで
  • 相手の話から仮定・推測する:だとしたら、となると、それでは
  • 文章を洗練させる:接続詞を削る、文を統合する

「すると」は物語を語るには適した言葉ですが、ビジネスや学術の場では曖昧さを生む原因にもなります。前後の文章の関係性を正確に捉え、適切な接続詞を選ぶことで、読者を迷わせないクリアな文章を書けるようになりましょう。