「そうすると」の言い換えは意味で変わる!自然なつなぎ表現

「そうすると」の言い換えは、結果を述べる順接なら「したがいまして」「その結果」「つきましては」、条件や仮定を示すなら「それならば」「だとするならば」「そういたしますと」などが代表的です。

会話をつなぐ言葉として「そうすると」は非常に便利ですよね。しかし、ビジネスメールや公式なレポートなどで多用すると、やや口語的で稚拙な印象を与えてしまうことがあります。また、「そうすると」には「前の事柄を受けて結果を述べる」意味と、「前の事柄を条件として次を導く」意味の2つが混在しているため、文脈によって最適な言い換えが変わります。

この記事では、2つの意味ごとの言い換え候補から、ビジネスシーンでの具体的な使い分け、そのまま実務で使える例文まで詳しく解説します。

  • 順接(その結果)の言い換え:「したがいまして」「その結果(として)」「つきましては」
  • 条件(だとしたら)の言い換え:「それならば」「だとするならば」「そういたしますと」
  • レポート・論文での言い換え:「したがって」「ゆえに」
  • 記事のポイント:「そうすると」が「因果関係の結果」なのか「もしもの仮定」なのかを判別し、文章のフォーマル度に合わせて適切な接続詞を選ぶこと。

「そうすると」の言い換え表現を一覧で紹介

「そうすると」の言い換えを探す際、まず考えるべきは「順接(その結果)」か「条件・仮定(それならば)」かの判別です。それぞれの意味に特化した言い換え候補と、そのニュアンスの違いを整理します。

1. 順接(その結果・だから)を表す言い換え候補

前の事柄が原因となり、順当に次の結果が導かれることを伝える場合、以下の表現がビジネスでは好まれます。論理的なつながりを明確にするのがコツです。

  • したがいまして: 「したがって」の丁寧語。ビジネスメールや文書で、理由と結論をつなぐ際に最も標準的に使われます。
  • その結果(として): 前の行動や状況によって、どのような事態になったかを客観的かつ事実ベースで示す際に適しています。
  • つきましては: 事情や背景を説明した後に、「そういうわけなので、〜をお願いします」と依頼や案内へスムーズにつなげる際に非常に便利な表現です。
  • ゆえに: 原因と結果を強く結びつける、硬く論理的な表現です。レポートや論文などで多用されます。
  • よって: 「ゆえに」と同様に論理的な帰結を示しますが、やや古風で硬い響きを持つため、公式な文書や証明などに使われます。

2. 条件・仮定(それならば・だとしたら)を表す言い換え候補

相手の発言や前の状況を受けて、「もしそうであるならば」という条件・仮定のニュアンスを表す場合は、以下の表現が適しています。

  • それならば: 相手の意見や現状を受け入れ、それに対する自分の意見や代替案を述べる際に使います。
  • だとするならば: 「それならば」よりも少し論理的で硬い響きがあり、仮定の前提を強調したい時に効果的です。
  • そういたしますと: 「そうすると」を丁寧にした表現。取引先や上司との会話やメールで、相手の意向を汲みつつ次の展開を話す際に重宝します。
  • それでは: 状況を受けて話を展開させたり、話題を切り替えたりする際に使われる、汎用性の高い表現です。
  • さすれば: 「そうすれば」の古い言い回し。現代の一般的なビジネスでは大げさになりますが、スピーチや格調高い文章で用いられることがあります。

ニュアンス別の言い換え早見表

言い換え候補を、どのような場面で誰に向かって使うべきか、具体的なニュアンスと合わせて一覧表にまとめました。状況に合わせて最適な表現を選ぶ目安にしてください。

言い換え候補 主な使用場面・ニュアンス
したがいまして 【順接】「だから・そのため」の丁寧な表現。ビジネスメール全般で使いやすい。
つきましては 【順接】理由を述べた後、相手への「依頼・案内」へ接続する際に最適。
その結果(として) 【順接】客観的な事実やデータの推移を報告する際に使う。レポートにも向く。
そういたしますと 【仮定】相手の言葉を受け、「もしそうなら」と丁寧につなぐ。対話やメール向け。
だとするならば 【仮定】ある前提を置いた上で、強い論理展開を行う際に使う。議論や提案向け。

「そうすると」の言い換えを選ぶポイント

言葉を選ぶ基準は、文章の目的と相手との関係性です。言い換え表現を選ぶ際、必ず意識すべき3つのポイントを解説します。

2つの意味(順接・仮定)を文脈から正しく見極める

言い換えで最も失敗しやすいのが、この意味の取り違えです。「そうすると」は前後の文脈で意味合いが大きく変わります。

例えば、「雨が降った。そうすると、試合は中止だ」であれば順接(その結果)の意味ですから、「雨が降った。したがいまして、試合は中止だ」と言い換えられます。しかし、「予算が足りない。そうすると、計画は見直しだ」は仮定・条件の意味合いも強いため、「予算が足りない。だとするならば、計画は見直しだ」とするのが自然です。自分が書いた「そうすると」がどちらの役割を果たしているか、まずは立ち止まって確認しましょう。

ビジネスやレポートでは客観的な表現に変換する

「そうすると」は、日常会話でよく使われる口語的な響きを持つ言葉です。そのため、客観性や論理性が求められるビジネス文書やレポート、論文では、少し稚拙で感覚的な印象を与えてしまうことがあります。

客観的な事実や論理を述べる際は、「したがいまして」「その結果」「ゆえに」といった、因果関係を明確に示す接続詞に変換します。「売上が減少した。そうすると、利益も下がる」ではなく、「売上が減少した。その結果、利益も下がる」とすることで、文章全体のトーンが硬質になり、説得力が増します。

相手への敬意・配慮を含ませるか

目上の方や取引先に対して「そうすると」を使いたい場面では、単なる接続詞以上の配慮が求められることがあります。

例えば、相手の提案を受けて「そうすると、納期は延びますか?」と聞くのは少しぶしつけです。この場合は「そういたしますと」や「おっしゃる通りに進めるとなりますと」のように、相手の言葉を一度受け止める丁寧な表現に変換します。これにより、クッションの役割を果たし、相手に与える印象は格段に良くなります。

「そうすると」が持つ意味とニュアンス

そもそも「そうすると」とはどのような性質を持つ言葉なのか。その背景を知ることで、なぜ言い換えが必要になるのかが深く理解できます。

会話では便利だが、文章ではやや口語的な印象も

「そうすると」は、指示語の「そう」に動詞「する」、接続助詞「と」が結びついた言葉です。「そのようにすると」が短くなった表現であり、日常会話において思考のプロセスをそのまま口に出す際によく使われます。

「テレビを見ている。そうすると、眠くなる」のように、感覚的で自然なつながりを表現するのに適しています。しかし、この「感覚的」という性質が、論理的で厳密な文章表現においては弱点となります。論理の飛躍を感じさせたり、カジュアルすぎる印象を与えたりするため、ビジネスメールや公式な文書では別の接続詞への言い換えが必要になるのです。

言い換えるときに残すべき論理的なつながり

言い換えるといっても、文と文をつなぐ「接着剤」としての機能まで失ってはいけません。前後の文がどのような関係にあるのかを正確に反映する言葉を選ぶ必要があります。

前の文が「原因」で後ろの文が「結果」なのか。前の文が「前提」で後ろの文が「推論」なのか。この論理の構造を正しく見極め、「したがいまして」や「だとするならば」を適切に配置することで、読み手が迷子にならない読みやすい文章が完成します。

「そうすると」のシーン別の言い換え例

言葉は文脈の中で初めて命を持ちます。ここでは、ビジネスで直面しやすい3つの具体的なシーンを取り上げ、それぞれの状況に最適化された言い換えパターンを提示します。

ビジネスメールで結果や帰結を伝える場面(順接)

状況や理由を説明し、そこから導き出される結論やお願いを伝えるための表現です。相手に納得してもらいながら行動を促す目的があります。

  • イベントの中止連絡:「明日は台風の接近が予想されております。つきましては、誠に残念ではございますが、本イベントの開催を見送らせていただきます。」
  • 納期の遅延報告:「部品の調達に遅れが生じております。したがいまして、納期の延長をお願いせざるを得ない状況です。」
  • 施策の効果報告:「広告の配信ターゲットを大幅に見直しました。その結果として、クリック率の明確な改善が見られました。」

取引先や上司に提案や仮定を伝える場面(条件)

相手の話や特定の条件を前提として、次に起こる事態や自分の意見を述べる表現です。角が立たないように配慮しながら論理を展開します。

  • スケジュールの調整:「ご提案のスケジュールで進めるだとするならば、社内の人員調整が急務となります。」
  • 代替案の提示:「A案は見送るとのこと、承知いたしました。それならば、B案の予算を急ぎ再計算する必要がございます。」
  • 仕様変更の影響:「システムの仕様を変更するとのことですが、そういたしますと、稼働開始日にも影響が出るかと存じます。」

レポートや論文で論理展開を示す場面

主観を交えず、論理的な因果関係や証明のプロセスを明確にするための硬い表現です。

  • 実験の考察:「実験Aにおいては想定通りの反応が見られなかった。したがって、仮説の根本的な見直しが求められる。」
  • 社会課題の分析:「当該地域では若年層の流出が続いている。その結果、地域経済を支える労働力不足が深刻化している。」
  • 矛盾の指摘:「両者の主張には根本的な矛盾が存在する。ゆえに、この合意は一時的なものに過ぎないと言及できる。」

「そうすると」の言い換え例文

頭で理解していても、実際の文章に落とし込むと不自然になることがあります。ここでは、そのまま実務で活用できるOK例と、意図せず不自然になってしまうNG例を比較します。

自然に伝わるOK例

良い文章は、意味のつながりが滑らかで、読み手が論理の展開をスムーズに追える表現です。

  • 「本日の会議は中止となりました。それでは、次回の日程につきまして改めてご相談させてください。」(話を次に進める自然な切り替え)
  • 「予算の都合上、全機能の実装は困難です。だとするならば、優先順位を明確にする必要があります。」(現状を前提とした強い問題提起)
  • 「現行のシステムは老朽化が進んでおります。つきましては、来期に向けて新システム導入のご検討をお願いいたします。」(理由から依頼へのスムーズな移行)

避けたいNG例

意味の取り違えや、文章のトーン(硬さ)が合っていない、論理が破綻している失敗例です。

  • 「雨が激しく降っています。つきましては、私の傘が濡れました。」(「つきましては」は後に依頼や案内が続く言葉であり、単なる結果の報告には使えません。「その結果」が正解です。)
  • 「彼は全く勉強を怠った。だとするならば、不合格になった。」(すでに確定した過去の事実の因果関係を述べる文で、仮定の表現を使うのは不自然です。「したがいまして」や「その結果」が正解です。)
  • 「重大なシステムエラーが発生しました。そうすると、直ちに復旧作業に入ります。」(ビジネスの緊急報告としては幼稚で軽すぎます。「つきましては」「したがいまして」にすべきです。)

言い換え前と言い換え後の比較

「そうすると」という日常の言葉を、ビジネスやフォーマルな文脈に合わせてどう変換するか、視覚的にわかりやすく比較します。

言い換え前(曖昧・口語的な表現) 言い換え後(ビジネス・客観的な表現)
担当者が不在です。そうすると、回答は明日になります。 担当者が不在にしております。したがいまして、回答は明日となります。
移転が決まりました。そうすると、住所変更の手続きをお願いします。 オフィスの移転が決まりました。つきましては、住所変更の手続きをお願いいたします。
売上が落ちている。そうすると、広告費の削減が必要だ。 売上が減少している。だとするならば、広告費の削減が必要不可欠だ。

「そうすると」に近い言葉との違い

言い換え候補をさらに高い解像度で使い分けるため、意味が似通っている接続詞同士の微細なニュアンスの違いを明らかにします。

「そうすると」と「それでは」の使い分け

どちらも会話で頻繁に使われますが、「そうすると」は前後の因果関係や条件の結びつきに焦点が当たります。一方、「それでは」は「それなら」「じゃあ」といった意味合いが強く、話を次の段階へ進めたり、行動を促したりする「場面の切り替え」のニュアンスを持ちます。

例えば、「そうすると、計算が合わない」とは言えますが、「それでは、計算が合わない」は文脈がつながらず不自然ですよね。「それでは、次の議題に移ります」のように使うのが正解です。

「したがって」と「ゆえに」のニュアンス比較

どちらも論理的な因果関係(だから)を示す硬い言葉ですが、「したがって」は事実に基づいた論理の帰結を淡々と客観的に述べる際に使われます。一方、「ゆえに」はさらに格式高く、哲学的・数学的な証明や、強い断定のニュアンスを伴います。

一般的なビジネスレポートであれば「したがって」が自然であり、「我思う、ゆえに我あり」のように使う「ゆえに」を日常の報告書に多用すると、少し大げさで浮世離れして聞こえることがあるため注意が必要です。

迷ったときの選び方の手順

文章を書きながら、どの言葉に置き換えるべきか手が止まったときは、以下の手順で思考を整理すると、最適な表現にたどり着きます。

  1. 意味の特定: その「そうすると」は、因果関係の結果(だから)か、条件・仮定(だとしたら)かを見極める。
  2. 後に続く文の確認: 後ろの文が「結果の報告」なのか、「相手への依頼・案内」なのかを確認する。(依頼なら「つきましては」が有力候補になる)
  3. フォーマル度の調整: メールか、対話か、レポートか。相手との距離感と媒体の硬さを測る。
  4. 言葉の決定: 1〜3の要素を満たす言葉を選ぶ。(例:順接・依頼・メール → 「つきましては」)

「そうすると」の言い換えに関するよくある質問

「そうすると」の言い回しに関して、文章を書く際に直面しやすい疑問をQ&A形式で解説します。

「そうすると」のビジネスメール向けの言い換えは?

理由を述べた後に結論を言うなら「したがいまして」、理由を述べた後に相手に何かをお願い・案内するなら「つきましては」が最もビジネスメールに適した表現です。

レポートや論文で「そうすると」は使ってもよいですか?

「そうすると」は口語的な響きがあり、論理的な厳密さに欠ける印象を与えるため、レポートや論文での使用は避けるのが無難です。因果関係を示す「したがって」「その結果」「ゆえに」などに言い換えることで、学術的なトーンを保つことができます。

「そうすると」と「そういたしますと」の違いは?

「そういたしますと」は「そうすると」の丁寧語(謙譲表現を含む)です。自分が何か行動を起こした結果を言う場合や、相手の言葉を丁寧に受けて「(あなたが)そのようになさるとなると」という意味合いで使う場合の両方で、目上の人に対して失礼なく使うことができます。

「そうすると」をより丁寧な敬語で言うと?

「そういたしますと」のほか、「おっしゃる通りに進めるとなりますと」「そのように仮定いたしますと」など、何を「そう」するのかを具体的に言葉にして補うことで、さらに丁寧で誤解のない敬語表現になります。

「そうすると」を会話で自然に言い換えるには?

社内の同僚などカジュアルな会話であれば、「それなら」「だとしたら」「じゃあ」「ということは」といった表現に言い換えるのが自然です。「したがいまして」などを会話で使うと、硬すぎてよそよそしい印象を与えてしまいます。

「そうすると」の言い換えまとめ

「そうすると」という表現は、思考のプロセスをそのまま言葉にしてつなぐことができるため、会話では非常に便利な言葉です。しかし、文字として形に残るビジネスシーンにおいては、その口語的な響きや論理の曖昧さが、時に稚拙な印象を与えてしまうリスクを孕んでいます。

洗練された文章を書くためには、自分が書いた「そうすると」が順接なのか仮定なのかを明確にし、順接なら「したがいまして」「つきましては」、仮定なら「だとするならば」「そういたしますと」など、文脈の解像度を上げて具体的な言葉へ変換することが大切です。

文章のつなぎ目が論理的で滑らかになれば、読み手があなたの意図を誤解するリスクは大きく減ります。メールや報告書を送信する前に、この記事の早見表を思い出し、最適な「言い換え」を選んでみてください。