「また今度」の言い換えは、ビジネスやフォーマルな場面なら「またの機会に」「日を改めて」「今回は見送らせていただきます」などが代表的です。
誘いや提案を受けた際、保留にしたりやんわりと断ったりするのに「また今度」は非常に便利な言葉ですよね。
しかし、目上の方や取引先に対してそのまま使うと、少し馴れ馴れしく、軽くあしらわれたような印象を与えてしまうことがあります。
また、「本当に次があるのか」、それとも「単なる社交辞令(遠回しな断り)なのか」が相手に伝わりづらいという側面も持っています。
この記事では、ビジネスで使える丁寧な敬語から、角を立てない上手な断り方、前向きに次につなげる類語まで、「また今度」の言い換えを詳しく解説します。
- ビジネス・敬語の言い換え:「またの機会に」「日を改めて」「改めてお声がけいたします」
- 断り(クッション)の言い換え:「今回は見送らせていただきます」「せっかくですが」
- カジュアル・前向きな言い換え:「落ち着いたらぜひ」「次の機会を楽しみにしています」
- 記事のポイント:「本当に次につなげたい」のか「角を立てずに断りたい」のか、目的によって最適な表現を使い分けること。
「また今度」の言い換え表現を一覧で紹介
「また今度」という言葉を言い換える際、最も重要なのは「相手との関係性」と「本当はどうしたいのか(断りたいのか、延期したいのか)」です。まずは、状況に応じた代表的な言い換え候補を一覧で紹介します。
1. ビジネスや目上の方へ(敬語・フォーマル)
取引先や上司からの誘い、あるいは提案などを一旦保留・延期する際は、相手に敬意を示しつつ、ビジネスライクな響きを持つ言葉を選びます。
- またの機会に: 「また今度」をそのまま丁寧にした、最も汎用性の高いビジネス表現です。
- 日を改めて: スケジュールが合わないなど、文字通り「別の日」を設定したいという前向きな意思を含みます。
- 改めてお声がけいたします: 自分から再度アクションを起こすという主体性があり、相手に好印象を与えます。
- 別の機会に: 今回の件はいったん白紙にするが、ご縁はつなぎたいというニュアンスを持ちます。
- 次回の折に: 定期的に開催される会合や、継続的な取引がある相手に対して自然に使えます。
2. 角を立てずにやんわり断る時(クッション表現)
実際には「次」を想定しておらず、実質的にお断りを入れたい場面では、相手の顔を潰さないクッション言葉としての言い換えが重宝します。
- 今回は見送らせていただきます: ビジネスにおける提案や採用において、最も標準的で角が立たない断り文句です。
- せっかくですが: 相手の好意や手間に対する感謝を示しつつ、やんわりと辞退する際の前置きとして使います。
- お気持ちだけありがたく頂戴いたします: 贈り物や接待などの厚意を、相手を傷つけずに辞退する際の大人の表現です。
- 今回はご縁がなかったということで: これ以上のアプローチを控えたいときに、相手に納得してもらうための決まり文句です。
3. 親しい相手へ(前向き・カジュアル)
同僚や友人に対して「また今度」と言うと、「行きたくないのかな?」と不安にさせてしまうことがあります。関係性を崩さない、前向きな言い換え候補です。
- 落ち着いたらぜひ: 忙しさが理由であることを明確にし、状況が好転すれば応じるという意思が伝わります。
- タイミングが合えば: 相手へのプレッシャーを減らし、お互い無理のない範囲で、という気軽さを残せます。
- また誘ってください: 今回は行けないが、あなたからの誘いは嬉しい、というポジティブな感情を添える表現です。
- 次の機会を楽しみにしています: 残念な気持ちと、次回への期待をセットで伝えられる温かい表現です。
ニュアンス別の言い換え早見表
言い換え候補を、どのような場面で誰に向かって使うべきか、ニュアンスとともに一覧表にまとめました。迷ったときのヒントにしてください。
| 言い換え候補 | 主な使用場面・ニュアンス |
|---|---|
| またの機会に | 【汎用・敬語】ビジネスの断りや延期に幅広く使える標準表現。社交辞令としてもよく使われる。 |
| 今回は見送らせていただきます | 【断り・ビジネス】提案や依頼などを明確に断る際に使う。角が立ちにくい大人の定型句。 |
| 日を改めて | 【前向き・延期】本当に別の日程で調整したい時に使う。断る意図がないことが伝わりやすい。 |
| 改めてお声がけいたします | 【主体性・保留】今は無理だが、自分のタイミングで連絡したい時に使う。少し待ってほしい時向け。 |
| 落ち着いたらぜひ | 【親しい仲・前向き】多忙が理由で行けない時に。同僚や友人に向けたポジティブな先延ばし表現。 |
「また今度」の言い換えを選ぶポイント
言葉を選ぶ基準は、自分がどうしたいのかという「着地点」と、相手との「距離感」です。言い換え表現を選ぶ際、必ず意識すべき3つのポイントを解説します。
「社交辞令の断り」か「再調整の希望」かを明確にする
「また今度」の最大の欠点は、それが「脈なしの社交辞令」なのか「本当に別の日程にしたい」のか、受け手に判断を委ねてしまう点にあります。
言い換える際は、この着地点を言葉でコントロールします。本当にお断りしたいなら、「またの機会に」という言葉に「今回は見送らせていただきます」を添えて、きっちりと幕を引きます。逆に、今回は無理だが次につなげたいなら、「またの機会に」だけで終わらせず、「来月の中旬以降であれば」「日を改めてご相談させてください」と、前向きな要素を強く押し出す必要があります。
ビジネスでは曖昧さを残さず代替案を添える
ビジネスメールにおいて、ただ「またの機会によろしくお願いいたします」と返信すると、相手は「これは体よく断られたな」と解釈します。日本のビジネス文化において、「またの機会」は「お断り」の隠語として機能しているからです。
もしあなたが本当に相手と取引や面会をしたいのであれば、必ず代替案をセットにします。「あいにく今週は立て込んでおりますが、来週の火曜か水曜はいかがでしょうか」と具体的な日程を出すか、「〇〇のプロジェクトが落ち着く来月上旬に、日を改めて私からご連絡いたします」と、自分から動く意思を示しましょう。
相手との距離感に合わせた硬さを選ぶ
目上の人や取引先に対して「また今度でお願いします」と言うのは、敬語が不足しているだけでなく、相手の時間を軽く扱っているように聞こえてしまいます。ビジネスシーンでは「またの機会に」「日を改めて」といった硬さのある言葉が必須です。
一方で、親しい同僚からのランチの誘いに対して「今回は見送らせていただきます」と返すと、ひどく冷酷でよそよそしい壁を感じさせます。「今ちょっとバタバタしてるから、落ち着いたらぜひ行こう」と、感情の通ったやわらかい表現を選ぶのが正解です。
「また今度」が持つ意味とニュアンス
なぜ私たちは、誘いや提案に対してつい「また今度」と言ってしまうのでしょうか。その理由と、言葉自体が内包するコミュニケーションの性質について紐解いていきます。
日常会話では便利だがビジネスでは軽すぎる
「また今度」は、相手の誘いを直接的に「嫌だ」「無理だ」と否定せず、ふわりと未来へ先送りする魔法の言葉です。相手を傷つけず、自分も罪悪感を抱かずにその場を収めることができるため、日本人の気質に非常に合っています。
しかし、この「ふわりと先送りする」という性質が、ビジネスにおいては「軽薄さ」や「無責任さ」に変換されてしまいます。「また今度やりましょう」と仕事相手に言われて、本気で予定を空けて待つ人はいないでしょう。ビジネスでは、イエスかノーか、あるいは具体的な延期なのかをクリアにする責任が伴うため、「また今度」という便利な魔法は封印すべきなのです。
言い換えるときに残すべき「配慮」の印象
ビジネス向けに硬い表現に変換するといっても、ただ冷たく切り捨てればいいわけではありません。「また今度」の根底にあるのは、「誘ってくれてありがとう」という相手への思いやりです。
言い換える際は、この配慮のニュアンスを必ず文章に残します。「今回は見送ります」という結論の前に、「大変魅力的なお話で恐縮ですが」「せっかくお声がけいただいたにもかかわらず」といったクッション言葉を挟むことで、本来の温かみを維持したまま、ビジネスにふさわしい明瞭さを確保できます。
「また今度」のシーン別の言い換え例
言葉は文脈の中で初めて機能します。ここでは、実務や日常で直面しやすい具体的なシーンを取り上げ、それぞれの状況に最適化された言い換えのパターンを提示します。
ビジネスメールで提案や誘いを見送る場面
取引先からの新規提案や、あまり乗り気ではない会食の誘いなどを、角を立てずにお断りするための表現です。
- 新規サービスの提案に対して:「社内で慎重に検討いたしました結果、誠に残念ではございますが、今回は見送らせていただきます。またの機会がございましたら、よろしくお願いいたします。」
- 会食の誘いに対して(辞退):「せっかくお誘いいただいたところ大変恐縮ですが、あいにく多忙を極めておりまして、今回はご遠慮申し上げます。」
- 協業の打診に対して:「現在の弊社のリソースではご期待に沿うことが難しく、別の機会にご一緒できますことを願っております。」
スケジュールが合わず、本当に別の日程にしたい場面
相手の提案自体は歓迎しているものの、タイミングが悪かった場合に、前向きな姿勢を伝える表現です。
- 打ち合わせの打診に対して:「ご提示いただいた日程はあいにく終日ふさがっておりまして、ぜひ日を改めてお時間を頂戴できないでしょうか。」
- 会食の誘いに対して(延期):「大変嬉しいお誘いなのですが、来週いっぱいは出張に出ております。来月に入りましたら、改めて私からお声がけさせてください。」
- プロジェクトの参加要請に対して:「ぜひ参加させていただきたいのですが、現在別の案件を抱えております。〇月以降に状況が落ち着きましたら、ぜひ合流させてください。」
プライベートで友人からの誘いを保留・辞退する場面
友人や同僚からのプライベートな誘いに対し、冷たくならないように配慮しながら断る、あるいは先延ばしにする表現です。
- 飲み会の誘いに対して(行けない時):「誘ってくれてありがとう!今週はどうしても外せない用事があって、次の機会を楽しみにしているね。」
- 休日の誘いに対して(保留にしたい時):「面白そうだね。ただちょっと今仕事が立て込んでいて、落ち着いたらこっちからまた連絡するね。」
- やんわり断りたい時:「せっかくなんだけど、ちょっと最近バタバタしていて。またタイミングが合う時にでもよろしく!」
「また今度」の言い換え例文
頭で理解していても、実際の文章に落とし込むと不自然になることがあります。ここでは、そのまま実務で活用できるOK例と、意図せず相手を不快にさせる恐れがあるNG例を比較します。
相手に配慮が伝わるOK例
良い文章は、相手の顔を立てつつ、自分の意思(断るのか、次につなげたいのか)をはっきりと伝えることができます。
- 「この度は貴重なお時間をいただきありがとうございました。現状の体制では導入が難しいため、誠に恐れ入りますが今回は見送らせていただきます。またの機会がございましたら、何卒よろしくお願い申し上げます。」(ビジネスの断りの王道)
- 「お気遣いいただきありがとうございます。あいにく本日はこの後予定が控えておりまして、ぜひ日を改めてご一緒させてください。来週以降のスケジュールを確認し、ご連絡いたします。」(前向きなリスケジュール)
- 「お声がけいただきとても嬉しいのですが、今月は少し余裕がなく……。落ち着いたらぜひ行きましょう!また誘ってもらえると嬉しいです。」(同僚への温かい断り)
避けたいNG例
配慮のつもりが、逆に誠意がないように感じさせてしまう失敗例を挙げます。言葉の選び方一つで、相手の受け取り方は大きく変わります。
- 「あいにく予定が合わず、また今度お願いします。」(ビジネスメールとしては敬語が決定的に不足しており、適当にあしらっている感が出ます。)
- 「せっかくですが、またの機会にしてください。」(「〜にしてください」という表現が上から目線で、突き放した印象を与えます。「またの機会にお願いいたします」とすべきです。)
- 「行きたいのですが、また今度でいいですか?」(相手に判断を委ねているようで、実はただの断りであり、コミュニケーションとして不誠実です。)
言い換え前と言い換え後の比較
「また今度」という日常の言葉を、ビジネスの文脈に合わせてどう変換するか、視覚的にわかりやすく比較します。
| 言い換え前(曖昧・口語的な表現) | 言い換え後(ビジネス向けの表現) |
|---|---|
| 提案はいい内容ですが、また今度にさせてください。 | 大変魅力的なご提案ですが、現状のリソースでは難しく、今回は見送らせていただきます。またの機会がございましたらよろしくお願いいたします。 |
| 明日は忙しいので、また今度行きましょう。 | 明日はあいにく予定がふさがっておりまして、ぜひ日を改めてご一緒させてください。 |
| 今は余裕がないので、また今度連絡します。 | 現在は業務が立て込んでおりますため、状況が落ち着きましたら、改めて私からお声がけいたします。 |
「また今度」に近い言葉との違い
言い換え候補をさらに高い解像度で使い分けるため、意味が似通っている言葉同士の微細なニュアンスの違いを明らかにします。
「いずれ」「そのうち」とのニュアンス比較
「いずれ」や「そのうち」も、未来へ先送りする言葉ですが、「また今度」とは温度感が異なります。
- また今度: 直近の誘いに対する返答としてよく使われます。相手への直接的なレスポンスのニュアンスが強いです。
- いずれ: 「いずれお伺いします」のように、時期は全く未定だが、将来的に必ず実現したいという意志を感じさせる言葉です。少し重みがあります。
- そのうち: 「そのうち行きましょう」のように、時期が未定である点は「いずれ」と同じですが、実現に向けた意志が弱く、非常にカジュアルで投げやりな響きを持ちます。ビジネスでは避けるべきです。
迷ったときの選び方の手順
文章を書きながら、どの言葉に置き換えるべきか手が止まったときは、以下の手順で思考を整理すると、最適な表現にたどり着きます。
- 目的の特定: その件を「キッパリ断りたい」のか、「本当に別の日程で実現したい」のかを見極める。
- フォーマル度の調整: 相手が取引先か、上司か、親しい同僚かを測る。
- 言葉への変換: 断るなら「今回は見送らせていただきます」、実現したいなら「日を改めて」を選ぶ。
- クッションと言い訳の追加: 理由(多忙、予算など)と、相手への配慮(せっかくですが等)を前後にくっつける。(例:「あいにく予算の都合がつかず、今回は見送らせていただきます」)
「また今度」の言い換えに関するよくある質問
「また今度」の言い回しに関して、ビジネスパーソンが実務で直面しやすい疑問をQ&A形式で解説します。
ビジネスメールで「また今度」を丁寧に言い換えるには?
相手の提案や誘いに対して、「今回はお断りする」という意味合いであれば「またの機会によろしくお願いいたします」「誠に恐縮ですが、今回は見送らせていただきます」と言い換えるのが最も丁寧で一般的です。
脈なしと思われないように「また今度」と伝えるコツは?
ビジネスの「またの機会に」は社交辞令(お断り)として受け取られがちです。本当に次につなげたい場合は、「〇〇のプロジェクトが落ち着く来月上旬に、改めてご相談させてください」「来週の火曜か水曜はいかがでしょうか」など、必ず具体的な代替案や期限を添えることが重要です。
上司からの飲みの誘いを角を立てずに断る言い換えは?
「お声がけいただきありがとうございます。あいにく本日は外せない所用がありまして、またの機会にぜひよろしくお願いいたします」などと、感謝+理由+またの機会に、という構成で返すのがスマートです。嘘をつく必要はありませんが、「所用で」と濁すのが大人のマナーです。
「またの機会に」と「また今度」の違いは何ですか?
意味は同じですが、フォーマル度が異なります。「また今度」は口語的でカジュアルな表現であり、ビジネスや目上の人には適しません。「またの機会に」は改まった表現で、ビジネスメールや公式な場での辞退・保留に適しています。
「また今度」を前向き(ポジティブ)に言い換えるには?
親しい間柄であれば「落ち着いたらぜひ行きましょう」「タイミングが合えばご一緒したいです」「次の機会を楽しみにしています」などと言い換えることで、今回は残念だけどあなたと会いたいというポジティブな感情を伝えることができます。
「また今度」の言い換えまとめ
「また今度」という表現は、相手を傷つけずに物事を先送りできる、日常会話において非常に便利な言葉です。しかし、ビジネスシーンにおいては、その「曖昧さ」が不誠実さや軽薄さに受け取られてしまうリスクを持っています。
大人のビジネスパーソンとして洗練された対応をするためには、自分がどうしたいのかを明確にし、キッパリ断るなら「今回は見送らせていただきます」、次につなげたいなら「日を改めて」「改めてお声がけいたします」など、目的と距離感に合わせた言葉へ的確に変換することが大切です。
「断る」という行為は誰しも心苦しいものですが、クッション言葉を添えて誠実に伝えれば、決して関係性が壊れることはありません。次に誰かからの誘いに返信する際は、この記事の早見表を思い出し、最適な「言い換え」を選んでみてください。